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Circulation誌から
ICDの遠隔モニタリングは患者にとって有益
有害事象は変わらず、イベント発生から医師の評価までの期間は大幅減

2010/07/29
小塩 尚代=メディカルライター

 植込み型除細動器ICD)のフォローアップに、データを毎日自動送信するタイプの遠隔モニタリングシステムを用いたところ、通院回数が有意に減少すると同時に、イベントの迅速な評価が可能になった。有害事象の発生率は通院によるフォローアップと変わらなかった。この結果は7月12日、Circulation誌オンライン版に早期公開された(雑誌掲載は7月27日号)。

 デバイス植え込み後のフォローアップ間隔は、ガイドラインの推奨によれば3~6カ月だが、このスケジュールの妥当性は確認されていない。検査の結果デバイスの調整が不要なことも多く、またデバイス使用患者の増加で医療機関の負担も増えていることから、通院の代わりに遠隔モニタリングシステムでのフォローアップが注目されている。

 Biotronik社のホームモニタリング(HM)は、ICDのデータを24時間ごとに専用の中継器でサーバーに自動送信するシステムで、医師はウェブサイトにログインすることでデータを確認できる。重大なイベントが発生した場合には別途、医師に通知される。このシステムを使えば連日のフォローアップが可能になるが、イベントの検出によって患者が急に呼び出されるケースが増加することも考えられる。

 そこで米国の研究グループが、HMの有効性と安全性を検討するために、米国の102施設で前向きランダム化試験「Lumos-T Safely Reduces Routine Office Device Follow-Up」(TRUST)を実施した。TRUSTは遠隔モニタリングを検証した初めての大規模試験であり、この結果を受けてHMシステムは米国で承認された。

 対象は、class I/IIの適応に対してHM機能付きのシングルチャンバーあるいはデュアルチャンバーICDを植え込まれた患者とした。これらの患者をデバイス植え込みから0~45日後に組み入れ、HM群または医療機関でのフォローアップ群(通院群)に2:1の割合でランダムに割り付けた。

 通院群ではHMは作動させず、3カ月ごとに医療機関で検査を実施した。HM群では3カ月後と15カ月後に医療機関で検査を行い、6、9、12カ月目の検査はオンラインで実施した。これらの規定の検査のほかにも、必要に応じて医療機関での検査を実施した。
 

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