日経メディカルのロゴ画像

N Engl J Med誌から
抗肥満薬としての選択的セロトニン2C受容体作動薬
lorcaserinの臨床試験結果、類似薬で見られた心臓弁膜症は増加せず

2010/07/27
西村 多寿子=東京大学

 肥満または過体重の成人に食事・運動指導を行いながら、選択的セロトニン2C(5-HT2C)受容体作動薬lorcaserinまたはプラセボを1年間投与したところ、lorcaserin群の体重減少はプラセボ群を大きく上回った。過去の「抗肥満薬」で問題になった心臓弁膜症もlorcaserin投与で有意に増加することはなく、有害事象もプラセボ群と同等だった。この結果は、N Engl J Med誌7月15日号に掲載された。

 BLOOM (Behavioral Modification and Lorcaserin for Overweight and Obesity Management)と名付けられたプラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験は、2006年9月から2009年2月まで米国の98施設で実施された。

 対象は、平均体格指数(BMI)が30~45(高血圧、脂質異常症、心血管疾患、耐糖能異常、睡眠時無呼吸のうち1つでも合併する場合はBMI 27~45)で、18歳から65歳までの男女とした。ただし、心臓弁膜症(米食品医薬品局の定義による)、糖尿病、140/90mmHgを超える高血圧、うつ病やそのほかの精神疾患を有する場合、および妊娠・授乳期間中の女性は除外した。

 試験開始1年目の1次エンドポイントは、ベースラインから1年終了時までに5%以上減量した患者の比率、10%以上減量した患者の比率、同期間の体重変化率とした。2年目については、1年目に5%以上減量した患者のうち、減量した体重が維持されていた比率とした。

 2次エンドポイントは、ベースラインからの検査値の変化(総コレステロール[TC]、低比重リポ蛋白コレステロール[LDL-C]、高比重リポ蛋白コレステロール[HDL-C]、中性脂肪[TG]、空腹時血糖、空腹時インスリン、HbA1c、インスリン耐性、腹囲、BMI、血圧、高感度C反応性蛋白、フィブリノーゲン)、QOLの指標(IWQOL-Lite score)の変化とした。

 患者3182例をlorcaserin(10mg)群とプラセボ群にランダムに割り付け、 1日2回投与を52週間継続した。ランダム化から2、4週目、その後は月1回受診日を設け、両群とも、行動変容プログラムに沿った食事と運動のカウンセリングを行った。


この記事を読んでいる人におすすめ