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CMAJ誌から
胸痛診断、5項目の問診が冠疾患除外に有用
3項目以上陽性で冠疾患に対する感度87.1%、特異度80.8%

2010/07/22
難波 寛子=医師

 冠動脈疾患の診断精度向上を目的とした研究は多数報告されてきたが、ほとんどの研究は救急外来を対象に行われており、急性冠症候群ACS)の来院が比較的少ないプライマリケアにおける既報の有用性は未知数だった。7月5日、CMAJ誌オンライン版に発表されたドイツでの横断研究の結果、胸痛の診断時、(1)性別年齢、(2)循環器疾患の既往、(3)心臓由来の痛みという自覚、(4)運動で痛みが増強、(5)圧痛がない──の5項目を問診することで、冠動脈疾患の除外が可能であることが明らかになった。

 本研究に参加したのは、ドイツ・ヘッセ州内209人のプライマリケア医のうち同意の得られた74人(35%)。主訴であるか否かを問わず胸痛を訴えるすべての患者が登録された。研究期間は2005年10月から2006年7月までで、1施設につき12週間の調査を4回に分けて行った。

 対象は35歳以上で、前胸部痛を訴える症例。胸痛の範囲は鎖骨下で肋下縁より上、かつ後腋窩線より前の範囲とした。前胸部痛が1カ月以上持続している例、既に検査を受けている例、胸痛の経過観察目的で来院した例は除外した。

 プライマリケア医は規定の報告様式を用いて標準化された問診と診察を行った。診察の6週後と6カ月後に患者に電話で経過を確認した。当初の診断結果を知らない担当者により胸痛の経過と治療(入院や投薬を含む)が確認された。すべての胸痛患者が登録されているか否か、カルテを用いてランダムに監査が行われた。

 冠動脈疾患の有無は、ドイツ・マールブルグ大学所属の循環器科医、プライマリケア医、リサーチスタッフ計3人による評価パネルにより判断した。評価は観察期間終了後に、すべての患者データを用いて行われた。

 外的妥当性の検証は、同じく胸痛患者が登録されているTOPIC(Thoracic Pain in Community)研究のデータを用いて行った。TOPIC研究にはスイスの58施設が参加した。心臓由来の痛みであるという患者の自覚についてはデータが得られなかったので、「今回の胸痛が非常に心配であるか」という質問の返答で代替とした。

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