降圧薬を投与しているが降圧目標に達しない患者に対し、テレモニタリングによる家庭血圧測定およびあらかじめ定めたプロトコールに基づいた薬剤自己調節を実施させたところ、収縮期血圧(SBP)の降下度は通常治療より大きかった。英国で実施されたランダム化比較試験(RCT)の結果で、7月8日にLancet誌オンライン版で発表された。
TASMINH2(Telemonitoring and Self-Management of Hypertension Trial)と呼ばれるこのRCTは、2007年3月から2008年5月までに英国ウエストミッドランド州の24の診療所で参加者を募集。2種類以下の降圧薬を服用しているにもかかわらず血圧が140/90mmHgを上回り、血圧の自己管理と薬剤の自己調節を行う意思のある35~85歳の患者を適格とした。
適格者は527例で、テレモニタリングによる家庭血圧測定と薬剤自己調節を行う群(介入群)、または対照群のいずれかに1対1の割合でランダムに割り付けた。テレモニタリングは、患者が家庭血圧計で測定した血圧を、電話回線などを使って研究者らに伝送するシステム。
対照群は通常の高血圧治療を受けた。介入群は家庭血圧測定と薬剤自己調節のトレーニングを受けた後、毎月第1週の毎朝、家庭血圧を測定した。測定値が4日以上目標値を超えた場合、その月は目標値超過とみなした。2カ月連続で目標値超過となった場合、患者はかかりつけ医を受診することなく調節プロトコールに従い薬剤を変更した。
家庭血圧は外来血圧より低い傾向があるため、家庭血圧の目標値は、イギリスのNICE(国立医療技術評価機構)ガイドラインの値を英国高血圧学会の勧告に従って10/5mmHg下方に補正し、130/85mmHg(糖尿病患者では130/75mmHg)とした。
血圧が200/100mmHgを超過、またはSBPが100mmHg未満となった場合、患者はかかりつけ医を受診するよう連絡を受けた。
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