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N Engl J Med誌から
完全皮下ICDの有効性は標準タイプと同等
心臓内にリードを留置しない新方式、手技に伴う合併症リスクが低減

 心臓内にリードを留置せず、すべての機器を皮下に留置する完全皮下式の植込み型除細動器ICD)は、経静脈アクセスを必要とする標準的なICDと同等の有効性を示した。欧米の多施設で行われた非ランダム化試験の結果で、N Engl J Med誌7月1日号に掲載された。試験は小規模で予備的なものだが、今後さらに検討が進めば臨床での実用化が期待される。

 致死性不整脈である心室頻拍や心室細動の治療法としてICDの普及が進んでいる。通常は左鎖骨下静脈などの大きな静脈を穿刺して心室内にリードを挿入するが、経静脈アクセスによる合併症のリスクも避けられない。合併症には気胸、血胸、心タンポナーデなどがあり、重篤な場合生命にかかわる。

 そのため、経静脈アクセスを必要としないICDの開発が進められている。今回の試験はCameron Health社製の皮下ICDを使用して、同社の後援の下、米国、ニュージーランド、英国、ドイツ、オランダなどの多施設が参加して行われた。

 最初に機器の最適な留置部位と、必要な電力を知るために2つの短期臨床試験を行った。1番目の試験ではICDの適応である78例の被験者を対象として、ICD本体とリードの位置によって4タイプの配置を決めて一時的に皮下ICDを留置して比較検討した。

 その結果、電極を胸骨左縁に沿わせ、ICD本体を左側胸部に留置する配置で、除細動閾値が平均32.5±17.0Jと最も低かった。そのため、その後の試験ではこの配置を取ることとした。

 続いて、ICD適応の49例に対して、標準的な経静脈留置のICDと一時的皮下ICDを同時に装着して、除細動閾値や有効性を比較した。誘発した心室細動に対して、皮下ICDは標準的ICDと同等の有効性を示したが、前者の除細動閾値はかなり高値だった(皮下ICD:36.6±19.8J、標準的ICD:11.1±8.5J)。皮下ICDでは、標準的ICDに比べて電極から心臓内の不整脈発生部位までの距離が遠いために、電力エネルギーがより必要になると考えられた。

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