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Hypertension誌から
高齢者高血圧、140mmHg未満の降圧に有益性認めず
イベント発生は150mmHg未満目標群と差なし、国内で行われたVALISH試験

2010/07/06
岡本 絵理=メディカルライター

 孤立性収縮期高血圧高齢者に対し、目標収縮期血圧SBP)を140mmHg未満とする厳格管理群と、140~150mmHgにとどめる中等度管理群に分けて追跡したところ、目標SBPは安全に達成されたものの、厳格管理に中等度管理を上回る臨床的有益性は認められなかった。日本全国の461施設が参加して実施された試験の結果で、6月7日にHypertension誌オンライン版で発表された。

 VALISH(Valsartan in Elderly Isolated Systolic Hypertension)と名付けられたこの試験は、孤立性収縮期高血圧(SBPが160mmHg超であり拡張期血圧[DBP]が90mmHg未満)を有する70歳以上85歳未満の患者を対象とした。

 目標SBPが140mmHg未満の厳格管理群、目標SBPが140mmHg以上150mmHg未満の中等度管理群に患者をランダムに分け、アンジオテンシンII受容体拮抗薬ARBバルサルタン40~80mgの1日1回投与を開始した。1~2カ月以内に目標SBPに達しなかった場合、160mgを超えない範囲でバルサルタンを増量するか、ARBを除く降圧薬(低用量の利尿薬、Ca拮抗薬など)を加えるか、その双方を行うかして、目標SBPを維持した。

 1次エンドポイントは心血管イベント、すなわち突然死、致死的・非致死的脳卒中、致死的・非致死的心筋梗塞、心不全による死亡、そのほかの心血管死、心血管疾患による予定外の入院、腎機能不全(血清クレアチニン値が2倍以上かつ2.0mg/dLとなるか、透析開始)の複合とした。2次エンドポイントは1次エンドポイントの各項目、総死亡、狭心症の新規発症または増悪とした。

 intention-to-treat解析を行い、Kaplan-Meier法とlog-rank検定によりイベント発生率を比較した。Cox比例ハザードモデルを用いてハザード比を解析した。

 2004年2月から2005年8月までに国内461施設で3260例が登録され、追跡不能例181例を除く3079例(厳格管理群1545例、中等度管理群1534例)を追跡した。追跡期間の平均値は2.85年、中央値は3.07年だった。



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