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Circulation誌から
クロピドグレルとアスピリン併用、1次予防には向かず
投与開始後1年間では出血リスクが1.88倍に

 血管系疾患と診断されているが病状が安定している、または複数の血管系疾患リスクを持つという軽症の被験者に対してクロピドグレルアスピリンによる抗血小板薬併用療法(dual antiplatelet therapy;DAPT)を実施したところ、プラセボ群に比べて出血リスクが高くなることが確認された。出血リスクの増大は投与開始後1年以内で見られ、プラセボ群と比べてハザード比は1.88に上った。さらに中等度の出血については死亡と関連が強いことも分かった。この結果は、Circulation誌6月15日号に掲載された。

 ステント留置後の患者などでは、DAPTによって血栓性イベントの低下が実証されている。一方、より軽症の患者におけるDAPTのリスクとベネフィットについては、まだデータが少ない。

 そこで今回、米国、英国、ドイツ、フランス、スイスの専門施設が参加したCHARISMA(Clopidogrel for High Atherothrombotic Risk and Ischemic Stabilization, Management, and Avoidance)試験のサブ解析として、軽症患者に限定して長期間追跡、出血イベントの発生率や総死亡率との関連について調査した。

 対象はCHARISMA試験の被験者中、血管系疾患があっても安定している、または複数の危険因子のみという条件の軽症患者1万5603人。ステント留置後など、DAPTの有効性が証明されている患者は除外した。すべての被験者にはアスピリンを投与し、用量は主治医の判断によって75~162mg/日とした。それに加えてクロピドグレル群では75mg/日のクロピドグレルを処方した。クロピドグレルの用量は、日本でも維持量とされている標準量である。

 観察期間の中央値は28カ月だった。出血についてはGlobal Utilization of Streptokinase and t-PA for Occluded Coronary Arteries(GUSTO)criteriaという、ST上昇型心筋梗塞に対して線溶療法を実施する時の出血の評価基準を用いた。

 観察期間中、すべての出血はクロピドグレル群で7802例中290例(3.7%)、プラセボ群で7801例中197例(2.5%)に観察され、クロピドグレル群の出血のリスクはプラセボ群に比べ有意に高かった(ハザード比[HR]:1.48、95%信頼区間[95%CI]:1.23-1.77、P<0.0001)。

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