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Lancet Oncology誌から
ARBでガンの新規発症リスクがわずかに上昇
メタ解析の結果、ただしデータは限定的でさらなる検討が必要と著者

2010/06/30
小塩 尚代=メディカルライター

 アンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)によるランダム化比較試験(RCT)のメタ解析から、ARBがガンの新規発症リスクをわずかとはいえ有意に上昇させ、臓器別の検討では肺ガンのリスクを有意に上昇させることが明らかになった。この結果はLancet Oncology誌オンライン版に6月14日、掲載された。

 2003年に発表されたCHARM試験では、ガンによる死亡率がカンデサルタン群でプラセボ群に比べて有意に高かった(2.3%対1.6%、P=0.038)。その後、テルミサルタンの2試験について、ガンのハザード比(HR)の有意な上昇が米食品医薬品局(FDA)への提出文書で明らかになった(ONTARGET試験:テルミサルタンとラミプリル併用群のラミプリル単独群に対するHR=1.14、TRANSCEND試験:ベースライン時にガンがなかった患者におけるテルミサルタン群のプラセボ群に対するHR=1.24)。

 そこで米国Case Western Reserve Universityの研究者らは、ガンの発症に対するARBの影響を検討するために、ランダム化比較試験のメタ解析を実施した。

 米国で市販されている7つのARBのいずれかを使用しており、2009年11月以前に発表された試験を、Medline、Scopus(Embaseを含む)、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Cochrane Database of Systematic Reviews、およびFDAのウェブサイトで検索した。試験の選択基準は、英語で発表されており、追跡期間が1年以上で、対象が100例以上のランダム化比較試験とした。

 それらの試験の中で、ガンに関するデータを報告していたのは9試験だった。ガンの新規発症を報告していたのは5試験(6万1590例)、特定の固形臓器ガン(肺ガン、前立腺ガン、乳ガン)の発症を報告していたのは5試験(6万8402例)、ガンによる死亡を報告していたのは8試験(9万3515例)だった。

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