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Circ Cardiovasc Qual Outcomes誌から
NSAIDsの心血管リスクは薬剤間で異なる
ジクロフェナクとrofecoxibはリスク上昇、ナプロキセンは比較的安全

2010/06/29
西村 多寿子=東京大学

 非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs)と心血管リスクの関係を調べた後ろ向きコホート研究の結果、非選択的NSAIDジクロフェナクCOX2選択的阻害薬rofecoxibは心血管死と関連があったが、非選択的NSAIDナプロキセンは心血管リスクを増加させなかった。薬剤間で心血管に及ぼす影響が異なることを示した本研究の結果は、6月8日、Circ Cardiovasc Qual Outcomes誌オンライン版に掲載された。

 デンマーク・コペンハーゲン大学病院を中心とする研究グループは、1997年1月から2005年12月まで、同国の健康保険加入者を登録したデータベースを利用し、死亡情報登録から死亡原因、薬剤情報登録から処方内容の詳細、患者登録から合併疾患の情報を入手した。

 1997年1月時点で10歳以上の健康な男女(約461万例)のうち、NSAIDs服用歴のある者は初回投与日を起算日とし、NSAIDs服用歴のない者は、試験期間の中央日である2001年6月1日を起算日とした。本研究は、起算日からさかのぼって5年間は入院歴がなく、かつ以下の薬物の投与を受けていないコホートを対象とした。

 β遮断薬、ジゴキシン、抗狭心症薬、利尿薬、Ca拮抗薬、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、抗血栓症薬、慢性閉塞性肺疾患治療薬、血糖降下薬、ステロイド薬、モルヒネを含む鎮痛薬、化学療法薬、免疫抑制薬、疾患修飾性抗リウマチ薬、麻酔薬。

 起算日以降の死亡・投薬・合併疾患の情報から、NSAIDsの使用と心血管アウトカム(心血管死、冠動脈死と非致死的心筋梗塞の複合、致死的・非致死的脳卒中)の関連を推定した。分析には、case-crossover法及びCox比例ハザードモデルを使用した。

 対象は102万8427例、年齢の中央値は39歳だった。1997年から2005年に1種類以上のNSAIDsの使用経験があったのは44.7%で、その内訳は、イブプロフェン29.3%、ジクロフェナク16.8%、rofecoxib1.6%、セレコキシブ1.5%、ナプロキセン4.0%だった。

 試験期間中に5万6305例が死亡し、うち2204例はNSAIDs投与中に死亡した。ICD 10による死因分類では、悪性新生物960例、心血管死769例(冠動脈死334例、心筋梗塞132例、脳卒中113例)、その他の原因475例だった。
 

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