日経メディカルのロゴ画像

Arch Gen Psychiatry誌から
受動喫煙により心理的苦痛が増加
精神疾患による入院との関連も認める、英国での横断・縦断研究

2010/06/24
岡本 絵理=メディカルライター

 イギリスで行われた横断・縦断研究から、受動喫煙者は非喫煙者よりも心理的苦痛との関連が強く、精神疾患による入院リスクも高いことが分かった。この結果は6月7日、Arch Gen Psychiatry誌オンライン版に発表された。

 ニコチンは、精神状態に関連するドパミン作動系などの精神心理学的経路や、うつ病に関連する神経免疫学的経路に影響を与えることが知られている。そこで、イギリス・ロンドン大学のMark Hamer氏らは一般集団を対象として、受動喫煙と精神状態との関係を評価した。

 対象は1998年および2003年のスコットランド健康調査参加者のうち、精神疾患による入院歴のない18歳以上の成人8155例(女性4321例)。

 喫煙状態は自己申告および唾液コチニン濃度による客観的評価により決定した。自己申告では非喫煙としていたが唾液コチニン濃度が15.00μg/L以上だった場合は喫煙者とした(310例)。

 唾液コチニン濃度に応じて、対象者を低受動喫煙群(コチニン濃度が検出限界以下である0.05μg/L以下)823例、低~中受動喫煙群(コチニン濃度が0.06~0.30μg/L)1663例、中受動喫煙群(コチニン濃度が0.31~0.70 μg/L)1253例、高受動喫煙群(コチニン濃度が0.71~14.99 µg/L)1821例、喫煙群(コチニン濃度が15.00μg/L以上)2595例の5群に分類した。

 主要アウトカムは心理的苦痛および精神疾患による入院とした。心理的苦痛は精神健康調査票12項目版(GHQ-12)のスコアが3点を上回った場合と定義し、横断研究を実施した。精神疾患による入院については縦断研究を行い、07年12月31日まで追跡調査した。

 コチニン濃度により分類した各群について、ロジスティック回帰分析を用いて心理的苦痛のオッズ比(OR)を算出し、Cox比例ハザードモデルを用いて精神疾患による入院のハザード比(HR)を算出した。


この記事を読んでいる人におすすめ