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Ann Intern Med誌から
バイスタンダーCPR実施率、同一都市でも地区により差
院外心停止の生存率を上げるには特定地区対象の訓練が有効か

2010/06/23
難波 寛子=医師

 院外心停止患者の予後にはバイスタンダーによる心肺蘇生バイスタンダーCPR)が大きく影響しており、生存率は都市により大きく異なる。6月1日にAnn Intern Med誌オンライン版に掲載された米国での調査から、バイスタンダーCPR実施率は同一都市内でも地区により大きなばらつきがあり、院外心停止発生率が高いにもかかわらずバイスタンダーCPRがあまり行われていない地区も存在することが分かった。このような地域を対象に心肺蘇生訓練を行うことは、院外心停止の予後改善に役立つと考えられた。

 調査対象は、米国ジョージア州のアトランタを含むフルトン郡。データは同郡のCardiac Arrest Registry to Enhance Survival(CARES)より収集した。CARESは、院外心停止に対する救急医療の記録で、入院後の情報と連結して参照が可能である。

 調査期間は2005年10月1日から08年11月30日まで。CARESは救急車が要請され蘇生が試みられたすべての心停止を記録していた。データ解析の過程で、CARESの記録は期間中における郡内の心停止による救急要請すべてを網羅していることが確認された。

 期間中、2028例の心停止が記録された。その中から、死後硬直や腐敗などのある明らかな死亡66例、心臓以外の原因による心停止283例、医療機関内または救急隊員の目前での心停止468例、予後不明24例、心停止発生の場所が不明60例、アトランタ国際空港内での心停止19例を除外した。

 心停止の発生数とバイスタンダーCPR実施率を、161の国勢調査調査区ごとに算出した。各国勢調査調査区は社会的経済的に比較的均一で、1区内の人口は4000から7000人である。

 最終的に1108例を解析の対象とした。バイスタンダーCPRを受けたのは279例だった。生存退院した41例(3.7%)中20例が、バイスタンダーCPRを受けていた。

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