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Diabetes Care誌から
ドパミン作動薬で2型糖尿病のCVDリスクが低下
中枢神経のサーカディアンリズムに着目した新たな治療パラダイム

2010/06/10
山川 里香=医学記者

 2型糖尿病に対する速放性ブロモクリプチンD2ドパミン受容体作動薬、商品名Cycloset)投与の安全性を評価する臨床試験の結果、有害事象は従来治療から増加せず、心血管イベントの発生は1年間の追跡期間で従来治療より40%も減少したことが明らかになった。米ハーバード大学のグループによる研究結果で、3月23日、Diabetes Care誌オンライン版に早期公開された。

 米食品医薬品局(FDA)は2008年、2型糖尿病治療薬の承認に際し、満たすべき心血管安全性基準を制定した(関連記事)。本試験「the Cycloset Safety Trial」はこれを受け、Cyclosetの2型糖尿病に対する適応取得に向けた安全性確認を目的として行われた。

 速放性ブロモクリプチンを朝、起床後2時間以内に服用すると、ドパミン作動性の中枢神経活性の日周期ピークが健常人と同じ時間帯に起こる。このようなサーカディアンリズムの獲得とインスリン感受性や糖代謝の正常化との間には、関連性が認められるという。

 本試験はランダム化二重盲検プラセボ対照試験で、追跡期間は1年。全米とプエルトリコの74施設から3095例を登録した。対象は、2型糖尿病で、30歳~80歳、体格指数(BMI)<43 kg/m2、HbA1c値≦10.0%の患者とした。除外基準は、交感神経刺激薬・麦角アルカロイド誘導体・片頭痛治療薬の10日以上の服用、管理不良の高血圧、NYHA III/IV度のうっ血性心不全、腎不全などとした。

 評価したアウトカムは2つ。速放性ブロモクリプチン投与による全般的な重篤有害事象の出現、および心血管安全性である。後者は、ランダム化後初回の、心筋梗塞・脳卒中・冠動脈血行再建術・狭心症または心不全のための入院の複合エンドポイントとした。

 ランダム化前の最低30日間、食事制限、経口血糖降下薬(併用は2剤まで)、インスリン(単独投与または経口血糖降下薬1剤との併用)のいずれかによる安定的な糖尿病治療を義務づけた。その後、これらの糖尿病治療に加えて朝食時に速放性ブロモクリプチンを投与する速放性ブロモクリプチン群と、同様にプラセボを投与するプラセボ群に2:1の割合で割り付けた。

 最初の6週間は、試験薬の1日用量を1週間に1錠(0.8 mg)ずつ増量し、最大投与量は6錠(4.8 mg)/日または対象者の最高耐容量とした。

 最初の3カ月間は導入時の糖尿病治療を継続することとしたが、その間も血糖コントロール最適化のための薬剤変更は許可した。3カ月以降は糖尿病治療薬の中止・追加を許可したが、追加する場合でも経口血糖降下薬の併用は2剤まで、インスリン治療では経口血糖降下薬の併用は1剤までとした。

 最初の6週間は週1回連絡を取り、3週目と6週目、それ以降は3カ月ごとに医師の診察を受けた。理学的検査と臨床検査(血液化学検査、血液学的検査、尿検査)はベースライン、24週目、52週目(ないしは試験終了時)に行った。試験終了30日後に、試験薬中止後に発生した有害事象を記録した。

 

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