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Obstet Gynecol誌から
好中球数が心血管疾患リスク予測に有用
閉経後高血圧女性を対象とした観察研究の結果

2010/06/07
岡本 絵理=メディカルライター

 本態性高血圧女性を対象とした観察研究のサブグループ解析で、閉経後の高血圧女性では好中球数の増加に伴い心血管リスクが上昇することが分かった。イタリア・ペルージャ大学の研究者らがObstet Gynecol誌4月号で発表した。

 閉経後はエストロゲンが減少してアテローム性動脈硬化の危険性が高まり、血栓形成が促進される場合があることが知られている。一方、アテローム性動脈硬化の発症には炎症過程が関与しているともいわれている。

 そこで、著者らは閉経後の高血圧女性を対象として、炎症において重要な役割を担う白血球・好中球数と、心血管イベントとの関連を調べた。

 本態性高血圧の女性患者の観察研究であるPIUMA(Progetto Ipertensione Umbria Monitoraggio Ambulatoriale)研究の登録者3826例のうち、収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上であり、心疾患のない閉経後女性298例を対象とした。

 患者の死亡や心血管イベントの発生は、かかりつけ医が患者と密に連絡を取るほか、電話連絡や外来診療により確認した。心血管イベントは、冠動脈バイパス手術や経皮的冠動脈インターベンションを必要とした冠動脈疾患、致死的・非致死的急性心筋梗塞、虚血性心電図変化を伴う狭心症、致死的・非致死的脳卒中、一過性脳虚血発作、血管造影で確認された症候性大動脈腸骨動脈閉塞、入院を必要とするうっ血性心不全、そのほかの心血管死亡、透析を必要とする腎不全とした。

 生活習慣指導や薬剤投与により、各患者の状態に合わせた治療を実施した。Kaplan-Meier法を用いて心血管イベントに関する無イベント生存率を解析し、ステップワイズCox回帰モデルを用いて予測因子が無イベント生存率に与える影響を評価した。

 対象の平均年齢は59歳、糖尿病罹患率は9.1%、喫煙者は17.5%だった。平均追跡期間は8年であり、新規心血管イベントが31件発生した(心疾患17件、脳血管疾患14件)。心血管イベントの総発生率は1.53/100人・年だった。


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