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N Engl J Med 誌から
腹部大動脈瘤の血管内治療、再び開腹術に勝てず
英EVAR 1試験と同じ結果となったDREAM試験、同じ号に揃って掲載

2010/06/03
西村 多寿子=東京大学

 腹部大動脈瘤血管内治療開腹手術に比べて周術期死亡を有意に低下させたが、6年後の生存率は両群間に差がなかった。また術後の再施行については、血管内治療群の実施率が開腹手術群に比べて有意に高かった。この結果は、英国で行われた同様な臨床試験であるEVAR 1EVAR 2試験の結果とともに、N Engl J Med 誌5月20日号に掲載された。

 DREAM(Dutch Randomized Endovascular Aneurysm Repair)と名付けられた本試験は、オランダの26施設とベルギーの4施設で実施された。対象は、直径5cm以上の腹部大動脈瘤の所見があり、血管内治療と開腹手術のいずれも適応のある患者とした。

 追跡調査については、治療から30日目、6、12、18、24カ月目は来院、その後は6カ月ごとに質問票による調査を実施し、健康状態、他施設での治療や入院状況を調べた。5年後は全患者対象に電話調査を実施し、来院した患者にはCT撮影を行った。

 1次アウトカムは、総死亡率と血行再建術の再施行率とした。再施行の定義は、初回の腹部大動脈瘤治療に関連して、その後に行った手術もしくは血管内治療とした。intention-to-treat解析を行い、生存率とそのほかのエンドポイントの計算にはカプラン・マイヤー法を使用した。

 2000年11月から03年12月の間に登録した患者を、開腹手術群(178例)と血管内治療群(173例)にランダムに割り付けた。ただし6例は実際には治療を受けなかった(4例は辞退、2例は施行前に死亡)。

 患者の平均年齢は70歳、男性の比率91.7%、43.9%に心疾患の合併症があった。追跡期間の中央値は6.4年で、死亡例を除く全患者は最低5年間追跡された。6年間追跡された患者は79%、7年間は53%だった。
 

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