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Circ J誌から
EPA投与でPAD症例の主要冠動脈イベントが半減
国内の脂質異常症患者を対象としたJELIS試験のサブ解析

2010/05/31
大滝 隆行

 末梢動脈疾患PAD)を伴うと主要冠動脈イベント(MCE)のリスクが高まり、エイコサペンタエン酸EPA)の投与によりそのリスクが56%減少することが、JELIS試験のサブ解析で明らかになった。この結果は5月18日、Circ J誌オンライン版に早期公開された。

 JELIS試験は、日本人の脂質異常症患者を対象にEPAの長期投与によるMCEの発生抑制効果(1次予防および2次予防)を検討した、国内最大規模のランダム化比較試験である。

 同試験の対象は、血清総コレステロール値が250mg/dL以上の脂質異常症患者1万8645例。全例にスタチンを投与した上で、高純度EPA製剤(商品名エパデール)1800mg/日を投与する群(9326例)と非投与の対照群(9319例)にオープンラベルで無作為に割り付けし、最長5年間(平均4.6年間)の追跡を行った。

 主要エンドポイントは、MCE(突然心臓死、致死的および非致死的心筋梗塞、不安定狭心症、血管形成術、ステント術あるいは冠動脈バイパス術)の発生。2次エンドポイントは、総死亡、冠動脈疾患の罹患、冠動脈疾患死、脳卒中、PAD、癌の発生。

 今回のサブ解析では、PADを合併するとMCEのリスクが高まるかどうか、PAD合併例に対してEPA投与がMCEの発生を抑制するかどうかを検討した。

 対象全体のうちPADを合併していた患者は223例で、内訳はEPA群に117例(ベースライン時に併存していた患者:96例、新規に診断された患者:21例)、対照群に106例(それぞれ77例、29例)だった。サブ解析では、ベースライン時の各種危険因子により補正したCox比例ハザードモデルを用い、その2群におけるMCEの発生リスクを分析した。

 PADの診断は、JELIS試験運営委員会の診断基準(冷感・間欠跛行などの症状、脈拍や血管雑音、潰瘍などの身体所見、足関節上腕血圧比[ABI]値を含む)に基づいて行われた。

 その結果、対照群におけるPAD合併例では、非合併例に比べてMCEの発症リスクが有意に高く(ベースライン時併存例でハザード比[HR]:1.97、95%信頼区間[95%CI]:1.04-3.39、P=0.039、新規診断例でHR:2.88、95%CI:1.13-5.98、P=0.030)、PAD合併例は明らかにハイリスクだった。




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