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J Am Coll Cardiol誌から
非閉塞性冠動脈疾患を血管内皮機能検査で予測
駆血前後の指尖部末梢動脈の血流変化を見るRH-PATの有用性明らかに

2010/05/26
小塩 尚代=メディカルライター

 非閉塞性冠動脈疾患(NOCAD)患者では、末梢血管の内皮細胞機能が閉塞性冠動脈疾患(OCAD)患者と同程度に低下しており、血管内皮機能検査によってNOCADを予測できることが明らかになった。日本人女性を対象とした熊本大グループの研究結果で、J Am Coll Cardiol誌4月20日号に掲載されるとともに、第1著者の松澤泰志氏(現・横浜市立大)は第59回米国心臓学会ACC2010)において、本研究でParmley Prizeを受賞した。

 女性にはNOCADが多いことが知られているが、器質的な冠動脈狭窄が認められないため、評価法は確立していない。冠動脈内の生理学的検査は侵襲的であり、一般的に実施することは難しい。

 NOCADを含む虚血性心疾患(IHD)には、血管内皮機能の低下が関与している。そこで、冠動脈の代わりに末梢血管で内皮細胞機能を検査する方法が開発されてきた。しかし、これまで広く用いられてきた上腕または前腕での血流依存性血管拡張反応(flow-mediated dilatation;FMD)の測定は、熟練を要するため測定者間・施設間でばらつきがあった。

 その後、上腕駆血開放後の血管拡張反応を、指尖の動脈血流量の変化として検出する方法(reactive hyperemia peripheral arterial tonometry;RH-PAT)が開発された。この検査は再現性に優れており、非駆血側の腕を対照とすることができる。さらに、測定値から算出するRH-PAT indexは既知の心血管危険因子との関連が認められ、冠動脈の内皮機能障害を有意に予測することが示されている。

 今回、このRH-PAT indexが女性のIHD、特にNOCADを予測するかどうかを、熊本大の研究グループが検討した。

 対象は、狭心症様の胸痛を有する安定した状態の閉経後女性で、2006年8月~09年4月に冠動脈造影(CAG)のために熊本大病院に入院した140例だった。

 RH-PATとCAGは、血管拡張薬中止から4日以上経過後の早朝空腹時に実施した。RH-PATはCAGの前日に、RH-PAT法で測定するEndo-PAT2000関連記事)を用いて測定した。RH-PAT indexの定義は、駆血開放後の測定値の平均(非駆血側の腕[対照]:A、駆血側の腕:C)を、駆血前の測定値の平均(対照:B、駆血側:D)で割った数値の比、すなわち(C/D)/(A/B)×(ベースラインの補正)とした。

 

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