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Eur Respir J誌から
吸入ステロイド薬で動脈硬化抑制の可能性
同薬を使用している気管支喘息患者はIMT肥厚が軽度

2010/05/25
西村 多寿子=東京大学

 吸入ステロイド薬ICS)を使用している気管支喘息患者150例と、マッチングさせた非喘息患者150例に頸動脈超音波検査を実施したところ、内膜中膜複合体肥厚度IMT)は喘息患者で有意に低かった。また喘息患者の中で、動脈硬化所見のある患者は所見のない患者よりも1日平均ICS投与量が少なく、ICSにより動脈硬化のリスクが減少する可能性が示唆された。阪大大学院内分泌・代謝内科学の大月道夫氏らによるケースコントロール研究の結果で、Eur Respir J誌オンライン版に4月22日、早期公開された。

 2004年1月~09年10月に、宮武内科(大阪市)を外来受診している気管支喘息患者からランダムに299例を選択した。すべての患者は、可逆性気道閉塞を有していた(サルブタモール[0.4-0.8mg]投与後の1秒間努力呼気量(FEV1)12%以上の増加と定義)。この中から、65歳未満、経口または静注ステロイドを日常的に使用していない、直近の2年間はICSを使用――という条件に適合する150例を対象(喘息患者群)とした。

 対照群は、阪大病院を受診している非喘息患者から、年齢、性別、そのほかの動脈硬化危険因子(糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙状況)を個々の喘息患者とマッチングさせた150例を選択した。

両群の患者に頸動脈超音波検査を実施し、IMTを測定した。平均IMTが1.1mm以上、かつ/またはプラークが存在する場合は動脈硬化ありと定義した。

 喘息患者群については、過去2年間のICSの累積投与量から1日平均投与量を計算した。150例のうち63例はフルチカゾン、63例はブデゾニド、8例はプロピオン酸ベクロメタゾン、8例はサルメテロール/フルチカゾン合剤を投与されていた。

 喘息患者における動脈硬化の危険因子を調べるため、年齢、性別、体格指数(BMI)、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙状況、ICSの1日平均投与量、喘息罹病期間、努力肺活量(FVC)、FEV1/FVCの11項目を変数に用いて、ロジスティック回帰分析を行った。

 

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