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N Engl J Med誌から
Xience V vs. Taxus、今回も前者が優位
虚血による標的病変の不全の発生率を比較、SPRIT IV試験

2010/05/24
西村 多寿子=東京大学

 冠動脈疾患に対するエベロリムス溶出ステントEES)とパクリタキセル溶出ステントPES)の有効性と安全性を比較した多施設ランダム化比較試験の結果が、N Engl J Med誌5月6日号に掲載された。EESを使用した患者では、PES使用者に比べて、心臓死・標的血管の心筋梗塞・再血行再建術施行の複合エンドポイントの相対リスクが38%、絶対リスクが2.6%減少した。

 EESは、コバルト合金で形成された非常に薄いプラットフォームからエベロリムスが溶出するステントで、これまでの関連試験では、遠隔期の内径損失(late loss)がPESに比べて有意に減少し、安全性と有効性の複合エンドポイントでの非劣性が示されていた。

 今回報告されたのは、SPRIT IV(Clinical Evaluation of the XIENCE V Everolimus Eluting Coronary Stent System)と呼ばれる試験で、コロンビア大学をはじめ米国66施設が参加。18歳以上で3カ所以下の未治療の冠動脈病変(病変長28mm以下、対照血管径2.5~3.75mm)を有する患者を対象とした。

 患者は2対1の比率で、EES群とPES群に割り付けた。EES群はAbbott Vascular社のXience Vを、PES群はBoston Scientific社のTAXUS Express2を使用した。

 経皮的冠動脈形成術(PCI)前にアスピリンとクロピドグレル(それぞれ最低300mg)の投与を推奨した。PCI後は、アスピリン(最低80mg/日、投与期間の限定なし)とクロピドグレル(75mg/日、投与期間最低12カ月)を投与した。追跡期間中の来院日は30日目、180日目、270日目、365日目とし、その後5年間は年1回の来院とした。来院時にルーチンの血管造影は実施しなかった。

 1次エンドポイントは、PCI後1年間の虚血による標的病変の不全(心臓死、標的血管の心筋梗塞、心臓バイパス術を含む標的病変の再血行再建術施行)の発生率とした。主要2次エンドポイントは2つで、1つは虚血による標的病変の再血行再建術施行、もう1つは心臓死と標的血管心筋梗塞の複合とした。そのほかの2次エンドポイントには、主要有害心イベント、標的血管不全、ステント血栓症が含まれた。

 本試験は、1次エンドポイントと主要2次エンドポイントについて、優位性と非劣性を検証できる検出力を持つように計画された。

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