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JAMA誌から
糖尿病腎症へのビタミンB群投与は逆効果
ホモシステイン値は低下するも腎機能は悪化、血管イベントも増加

 糖尿病腎症に対するビタミンB群療法の効果をランダム化比較試験(RCT)で検討したところ、プラセボに比べて血中ホモシステイン値は低下するものの、糸球体濾過率(GFR)の低下や血管イベントのリスクは逆に高まることが分かった。この結果は、JAMA誌4月28日号に掲載された。

 アミノ酸の1つであるホモシステインは血管内皮障害や血小板凝集、血管壁の平滑筋細胞の増殖などを引き起こし、心血管疾患や糖尿病腎症および網膜症の増悪因子となることが知られている。ホモシステインの代謝にはビタミンB12、葉酸、ビタミンB6が関与しており、これらのビタミンを十分に投与することによって血中ホモシステイン値は低下することが報告されている。

 そこで、ビタミンB群療法により糖尿病腎症の予後が改善するとの仮説を検証するため、西オンタリオ大学などカナダの5大学が共同して、DIVINe(Diabetic Intervention with Vitamins to improve Nephropathy)と呼ばれるRCTを行った。

 対象はI型またはII型の糖尿病で、糖尿病腎症と診断された尿中アルブミン量が1日300mg以上(または尿蛋白が1日500mg以上)である18歳以上の238例。ビタミンB群投与群(119例)、プラセボ群(119例)に無作為に割り付けた。ビタミンB群投与群で内服させる1錠中には葉酸2.5mg、ビタミンB6が25mg、ビタミンB12が1mg含まれていた。

 主要アウトカムは、ベースラインと比較した36カ月後のGFR値の変化とした。GFRは99テクネシウム-DTPAを用いて測定した(radionuclide GFR)。2次アウトカムは透析導入および心筋梗塞、脳卒中の発症、再潅流療法の施行、総死亡率の複合とした。血中ホモシステイン値も測定した。

 平均投与期間は31.9カ月(標準偏差14.4カ月)だった。ベースラインの平均GFR値はビタミンB群投与群で59.4mL/分/1.73m2、プラセボ群で54.7mL/分/1.73m2と有意差を認めなかったが、36カ月後はそれぞれ16.5(標準偏差1.7)mL/分/1.73m2、10.7(標準偏差1.7)mL/分/1.73m2と、ビタミンB群投与群で低下幅が有意に大きかった(2群間の差は-5.8、P=0.02)。血液透析が必要となった割合には、差が見られなかった(P=0.88)。


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