メトホルミンで血糖管理が不十分な2型糖尿病患者を、グルカゴン様ペプチド1アナログ(GLP1アナログ)のリラグルチドを追加する群と、ジペプチジルペプチダーゼ4阻害薬(DPP4阻害薬)のシタグリプチンを追加する群に分けて有用性を比較したところ、リラグルチド群でHbA1c値の低下が有意に大きく、その差は0.34~0.60ポイントに及んだ。この結果はLancet誌4月24日号に掲載された。
インクレチン関連薬を1対1で比較した試験はまだ少なく、GLP1アナログとDPP4阻害薬を長期間比較した試験は学会抄録以外発表されていない。そこで、リラグルチドの製造販売元であるNovo Nordisk社がスポンサーとなり、リラグルチドとシタグリプチンの直接比較試験が行われた。同社は試験デザインやデータ解析に関与した。
この試験は米国、カナダ、および欧州11カ国の計158診療所で2008~09年に実施された。対象は18~80歳の2型糖尿病患者で、メトホルミン1500mg/日以上を3カ月以上投与されているにもかかわらず、HbA1c値が7.5~10.0%の665例とした。全患者におけるベースラインのHbA1cの平均値は8.5%だった。
患者を国で層別化した後、リラグルチド1.2mgを1日1回皮下注射する群(225例)と、リラグルチド1.8mgを1日1回皮下注射する群(221例)、シタグリプチン100mgを1日1回経口投与する群(219例)にランダムに割り付け、メトホルミンに追加して26週間治療を行った。リラグルチドは0.6mg/日から漸増した。
1次エンドポイントはHbA1c値の低下とし、最大の解析対象集団(試験薬を1回以上使用した患者)に基づいて解析を行った。
その結果、HbA1c値のベースラインからの低下は、リラグルチド1.8mg群(-1.50%、95%信頼区間[95%CI]:-1.63~-1.37)および1.2mg群(-1.24%、95%CI:-1.37~-1.11)でシタグリプチン群(-0.90%、95%CI:-1.03~-0.77)よりも有意に大きかった(いずれもP<0.0001、図1)。
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