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Arch Intern Med誌から
超高齢者への心臓デバイス植え込みは有用か
80歳以上が17.5%を占め、病院内死亡は若年者の2倍

2010/04/27
難波 寛子=医師

 心不全に対する植込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT)の有用性は確立されているが、80歳以上といった超高齢者に対する使用に関しては十分な情報が得られていない。米国で行われた後ろ向き研究から、実際の臨床現場で心臓デバイスの植え込みが施行された患者の17.5%は80歳以上で、植え込み後の病院内死亡は年齢とともに上昇していることが明らかになった。

 若年者対象の研究により確立されたエビデンスに基づいて高齢者の治療を行うことに警鐘を鳴らすこの結果は、Arch Intern Med誌4月12日号に掲載された。

 データの収集はPREMIERのデータベースを用いて行った。PREMIERとは全米の医療機関よりなるグループで、患者の詳細データを共有している。

 データベース中、(1)2004年1月1日~2005年12月31日の入院、(2)ICD-9で心不全の1次または2次診断コードを有する、(3)ペースメーカーを除く心臓デバイスの植え込みまたは入れ替えを示すICD-9処置コードを有する、(4)18歳以上――の条件を満たす入院患者を対象とした。

 対象は植え込まれたデバイスにより、除細動器つき心臓再同期療法(CRT-D)群、ICD群、除細動器なし心臓再同期療法(CRT-P)群の3群に分けられた。ICDとCRT-P両方の植え込みが行われた対象者はCRT-D群に割り付けられ、処置日は最初の植え込みが行われた日とされた。

 除外された対象は以下の通りである。ICD-9処置コードが医療費請求で確認できない(n=832)、個々の請求額の合計がPREMIERにより計算された総請求額と一致しない(n=549)、デバイス植え込みがコード化されていない(n=518)、性別不明(n=2)。

 合併症はICD-9診断コードにより特定した。また、死亡率や有害事象などのアウトカムと交絡する可能性のある付随した処置についても、ICD-9処置コードを用いて特定した。

 植え込みデバイスのモニタリングを示すICD-9処置コードが今回の植え込み日以前に存在する場合、心臓デバイスの植え込み既往ありとした。合併症の検索についてもICD-9診断コードが用いられた。

 

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