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J Am Coll Cardiol誌から
PCI後の院内死亡を8項目の患者背景因子で予測
米NCDRレジストリーを基に開発、ベッドサイドでのリスク予測に有用

2010/04/26
小塩 尚代=メディカルライター

 米NCDR(National Cardiovascular Data Registry)の研究グループが、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の院内死亡リスクをベッドサイドで予測できるモデルを開発し、ST上昇型心筋梗塞STEMI)と非STEMIのどちらの患者にも優れた予測力を発揮することを確認した。この結果は3月31日、J Am Coll Cardiol誌オンライン版に掲載された。

 PCI後の死亡リスクを予測するモデルは過去にも作成されているが、これらのモデルは、(1)ステント留置や補助的抗血栓療法が一般的になる前の古いデータに基づいている、(2)限られた施設や患者集団に基づいている、(3)血管造影上の特徴が考慮されていない──などの問題を抱えていた。

 そこで、米国のPCI症例のレジストリーであるNCDR CathPCI(National Cardiovascular Data Registry for catheterization percutaneous coronary intervention)に参加している施設の研究者らが、同レジストリーのデータベースを用いて現在の治療を反映した予測モデルの作成を試みた。

 予測する転帰は院内総死亡とした。モデルの作成に用いた患者集団は、2004年1月1日から2006年3月30日までの間に、NCDR CathPCIの470施設から初回のPCI実施を報告された18万1775例。

 モデルに組み込む変数(患者の人口統計学的・臨床的および血管造影時の特徴)は、米国心臓学会(ACC)の有志で構成される委員会の助言に基づいて選択された。単変量解析で院内死亡率との関連が高かった変数を多変量モデルに組み入れ、変数減少法を伴うロジスティック回帰を用いて最終的にモデルに含める変数を決定した。

 その結果、21個の独立変数と、幾つかの変数に対する相互作用項を組み込んだ「完全版モデル」が完成した。この「完全版モデル」から血管造影時の変数と左室駆出率を省いても、予測力の低下はわずかだった。

 そこで、院内死亡との関連が特に高かった8変数(心原性ショックの有無、年齢、糸球体濾過率、うっ血性心不全の既往、末梢血管疾患、慢性肺疾患、NYHA心機能分類、STEMI/非STEMIごとのPCIの緊急性)のみに絞った「簡易版モデル」を作成した。

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