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Circ J誌から
経口禁煙薬の効果はニコチンパッチと差なし
国内初のRCT、副作用は経口薬群の方が有意に高率

2010/04/20
大滝 隆行

 禁煙を希望する成人喫煙者を対象に、経口禁煙補助薬バレニクリン(商品名チャンピックス)使用群とニコチンパッチ使用群にランダムに分け、禁煙成功率や安全性、禁断症状を比較したところ、禁煙率に差を認めず、副作用の発現頻度が経口禁煙薬群で有意に高かった。この結果はCirc J誌4月号に掲載された。

 バレニクリンは、2008年5月に国内初の経口禁煙補助薬として発売された。従来の禁煙補助薬と異なり、ニコチンの代わりにα4β2ニコチン性アセチルコリン受容体に結合することにより、禁煙に伴う禁断症状や喫煙への切望感を軽減するとされている。

 これまでバレニクリンによる禁煙成功率は、ニコチンパッチを使用した場合に比べて高いとする報告が複数なされているが、ランダム化比較試験(RCT)に基づく根拠は数少ない。

 今回、福岡大の塚原ひとみ氏らの研究グループは、成人喫煙者を対象に、経口禁煙補助薬と従来の禁煙補助薬の効果や安全性、禁断症状を比較するランダム化対照オープン比較試験「The VN-SEESAW Study」を実施した。

 被験者は、禁煙を希望して福岡大学病院の禁煙外来を受診した喫煙者32例(27~64歳、TDS[Tobacco Dependence Screener]≧5かつブリンクマン指数≧200)。癌の既往者や1年以内に禁煙を試みた者、インスリン治療中の糖尿病患者、精神疾患や循環器疾患、薬剤などのアレルギー歴を有する患者、妊婦・妊娠の可能性がある女性などは除外された。

 被験者を、バレニクリンを12週間服用する(第1~3日目:0.5mgを1日1回、第4~7日目:0.5mgを1日2回、第8日目以降:1mgを1日2回)群と、ニコチンパッチを8週間貼付する(最初4週間:52.5mgを1日1回、次の2週間:35mgを1日1回、最後2週間:17.5mgを1日1回)群にランダムに割り付けて、12週間5~8回の受診頻度で経過を観察した。24週後に電話インタビューにより禁煙継続の有無を確認した。

 主要エンドポイントは、9~12週後の喫煙再開と9~24週後の喫煙再開、12週経過時点における安全性、ストレスを含む禁断症状。喫煙再開は、一酸化炭素(CO)濃度(>8ppm)の測定により確認した。禁断症状は、MNWS(ミネソタ式ニコチン禁断症状調査票)で評価した。4例(バレニクリン群2例、ニコチンパッチ群2例)がフォローアップ中に脱落したため、解析の対象となったのは28例(バレニクリン群14例、ニコチンパッチ群14例)だった。

 

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