日経メディカルのロゴ画像

J Am Coll Cardiol誌から
遺伝子型に基づくワルファリン管理で入院減少
出血や血栓塞栓症による入院リスクは28%低下

 ワルファリンの使用開始時、薬物代謝に影響を及ぼす遺伝子型を調べて主治医に知らせることで、6カ月の経過観察中の入院率が、遺伝子型を調べなかった場合に比べて有意に低下した。米国全土から被験者を集めた大規模前向き比較試験の結果で3月30日、J Am Coll Cardiol誌オンライン版に掲載された。

 ワルファリンの代謝に関連する遺伝子としては、肝薬物代謝酵素チトクロームP450CYP)のアイソザイム2C9とビタミンKエポキシド還元酵素複合体1VKORC1)の2種類が知られている。CYP2C9は、血中ワルファリンの不活性化時に重要な役割を果たし、VKORC1はビタミンKの活性型を生成する酵素であるビタミンKエポキシド還元酵素の活性を決定する。

 これらの遺伝子型検査は商業ベースで測定できるが、臨床的な有用性が周知されていないため、診療現場で十分に活用されているとはいえない。いくつかの小規模な研究でワルファリン管理における遺伝子検査の効果について調査されているが、大規模なRCTの結果はまだ出ていない。

 そこで、米国ニュージャージー州のMedco Health Solutions社およびミネソタ州のメイヨー・クリニックの研究者らが中心になって、米国全土に及ぶ大規模な前向き比較試験を実施して、遺伝子型に基づくワルファリン管理と合併症との関連について検討した。

 対象は心房細動、肺塞栓症、深部静脈血栓症のためにワルファリン治療を開始する3584例。準実験デザイン(quasi-experimental design、被験者の希望などにより介入群、対照群を設定する方法)により、遺伝子検査を行う介入群(896例)と、対照群(2688例)に分けて、経過を追跡した。

 ワルファリンの感受性は、CYP2C9の変異型アレル*1~*3、VKORC1のA、Gアレルの組み合わせで決められる。例えば、VKORC1がA/AかつCYP2C9が*1/*3、*2/*2、*2/*3、*3/*3、VKORC1がG/AでCYP2C9が*3/*3ならば、ワルファリンに対する感受性がvery high、VKORC1がG/AでCYP2C9が*1/*1ならばnormal、VKORC1がG/G、CYP2C9が*1/*1ならばless than normalなどとされている。

この記事を読んでいる人におすすめ