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N Engl J Med誌から
2型糖尿病患者の厳格な血圧管理に有益性見いだせず
心血管イベントや総死亡は標準管理群と同等、ACCORD BP試験

2010/04/13
岡本 絵理=メディカルライター

 厳格な血糖管理により、高リスク2型糖尿病患者の心血管イベントが抑制できるかを検討したACCORD試験の参加者を対象として、血圧の厳格管理群と標準管理群を比較する試験(ACCORD BP)を実施したところ、主要心血管アウトカムや総死亡率に有意差はなかった。この結果は3月14日、N Engl J Med誌オンライン版で発表された。

 米国の高血圧治療ガイドラインであるJNC7では、糖尿病患者の収縮期血圧(SBP)を130mmHg未満とするよう推奨している。しかし、ランダム化比較試験でこれを支持する根拠はほとんど得られていない。

 ACCORD試験は米国とカナダの77医療機関で実施され、2型糖尿病患者1万251例を登録してスタートしたが、厳格血糖管理群で総死亡が増えていたことが判明し、2008年春に同群の追跡が中断された。

 この試験は2×2要因デザインにより、そのうち5518例が脂質に関する試験(ACCORD lipid)に参加。残る4733例がACCORD BPに参加し、血圧の厳格管理群(目標SBP:120mmHg未満、2362例)または標準管理群(目標SBP:140mmHg未満、2371例)にランダムに割り付けられた。降圧治療には実際の臨床現場で利用できる治療法を用いた。

 1次アウトカムは主要心血管イベント(非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心血管死の複合)の初回発生とした。2次アウトカムは、1次アウトカム+血行再建またはうっ血性心不全による入院、致死性冠動脈イベント・非致死性心筋梗塞・不安定狭心症の複合、1次アウトカムの各項目、全脳卒中(致死的脳卒中+非致死的脳卒中)、総死亡、心不全による入院・死亡とした。

 intention-to-treat解析を実施し、Cox比例ハザード回帰モデルを用いてアウトカム発生率を解析した。

 両群のベースライン特性は類似していた。患者は平均年齢62.2歳、女性47.7%であり、33.7%が心血管疾患を有していた。平均SBPは139.2mmHgだった。1次アウトカムの平均追跡期間は4.7年だった。

 

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