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Lancet誌から
脳卒中予防効果の差は血圧の個人間変動と関連
Ca拮抗薬は他剤より血圧変動を有意に抑制、メタ解析の結果

2010/04/09
西村 多寿子=東京大学

 降圧薬の種類により脳卒中予防効果が異なるのは、血圧の変動性が関係している可能性がある。Lancet誌3月13日号に発表されたメタ解析の結果、降圧治療による収縮期血圧(SBP)の変動は、平均SBPと独立して脳卒中のリスク減少と関連し、Ca拮抗薬はSBPの個人間変動を有意に減少させることが明らかになった。

 英国ジョン・ラドクリフ病院の研究グループは、MedlineとCochrane database(1950年から2009年7月第1週まで)を利用してシステマティック・レビューを行った。検索語の組み合わせを “meta(-)analysis” と“antihypertensive agents OR blood-pressure lowering” として、2人の独立した評価者が降圧薬の臨床試験のメタ解析を抽出した。

 メタ解析とは複数の臨床試験データを統合する統計学的手法であり、データのタイプ(2値、連続)、統合された統計値、データを集積する際のモデルによって計算方法が異なる。

 ベースラインと追跡期間のSBPおよび拡張期血圧の平均、標準偏差(SD)、分散、分散比(VR)、変動係数の変化を計算した。試験規模により重み付けされたSDやVRの平均差と各試験のすべての時点における平均が集積された。

 降圧薬は、8つの群(ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬、非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬、サイアザイドおよびサイアザイド系類似利尿薬[インダパミド、xipamide、クロルタリドン]、ACE阻害薬、β遮断薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬[ARB]、α1遮断薬、プラセボ)に分類し、種類別の降圧効果についてランダム効果モデルを用いて分析した。

 検索により187のメタ解析から1858の独立した試験の引用を確認したが、さらなる調査の結果、妥当な対照群のないもの、試験期間が2週間未満、患者群が不適格、オリジナルデータの報告がないものは分析対象から除外した。

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