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N Engl J Med誌から
DES留置後の抗血小板薬2剤併用、12カ月以上は利益なし
ただし検出力不足の2試験をあわせた解析結果

2010/04/07
小塩 尚代=メディカルライター

 抗血小板薬であるアスピリンクロピドグレルの併用を、薬剤溶出ステント(DES)留置後12カ月以上継続しても、心筋梗塞と心臓死をあわせたリスクはアスピリンのみとした場合と差がないことが、2つのランダム化試験をあわせた解析で明らかになった。この結果は3月15日、米国心臓学会(ACC)の2010 Annual Scientific Sessionで発表され、同時にN Engl J Med誌オンライン版に掲載された。

 PCIに関する現在のガイドラインは、DES留置後、出血リスクが高くない患者には、クロピドグレル75mg/日を12カ月以上服用させることを推奨している。しかし、クロピドグレルとアスピリンの2剤併用をいつまで続けるべきかについては、現時点でははっきりしていない。

 そこで韓国・Asan Medical Centerの研究者らは、抗血小板薬併用療法を12カ月以降も継続した場合の効果を検討するために、2つの多施設共同ランダム化オープンラベル試験のデータをあわせて解析した。

 解析対象となった2試験は、REAL-LATE(Correlation of Clopidogrel Therapy Discontinuation in Real-World Patients Treated with Drug-Eluting Stent Implantation and Late Coronary Arterial Thrombotic Events)試験、およびZEST-LATE(Evaluation of the Long-Term Safety after Zotarolimus-Eluting Stent, Sirolimus-Eluting Stent, or Paclitaxel-Eluting Stent Implantation for Coronary Lesions - Late Coronary Arterial Thrombotic Events)試験だった。

 どちらの試験も、患者登録が思うように進まなかったこと、2試験のデザインが実質的に同じだったこと、さらに両試験の患者数を足すと、十分な検出力を得るのに必要な推定サンプルサイズに達することから、試験関係者の判断でまとめて解析されることになった。

 REAL-LATE試験の対象は、12カ月以上前にDESを留置され、その後心血管系の主要有害イベント(心筋梗塞、脳卒中、再血行再建術)やTIMIの定義による大出血を経験しておらず、抗血小板薬2剤を併用中の患者だった。ZEST-LATE試験は、それ以前に実施されたZEST試験の対象のうち、REAL-LATE試験と同じ組み入れ基準にあてはまる患者を対象とした。

 いずれの試験も、患者をDESの留置部位および溶出薬剤の種類で層別化して、クロピドグレル(75mg/日)と低用量アスピリン(100~200mg/日)の併用群、または低用量アスピリン単独群に、オープンラベルでランダムに割り付けた。標準的な他の薬物療法も必要に応じて使用した。解析はintention-to-treatで実施した。

 

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