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Arch Intern Med誌から
BNPガイド治療で心不全患者の総死亡が減少
総死亡減少は75歳未満で顕著だが入院は減らず、RCTのメタ解析

2010/04/06
難波 寛子=医師

 慢性心不全の管理において、脳性ナトリウム利尿ペプチドBNP)もしくは脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N末端フラグメントNT-proBNP)の血漿濃度を指標とする薬物治療が注目されている。これまで多くのランダム化比較試験(RCT)が行われてきたが、通常の治療との優劣に関して一定の見解は得られていない。Arch Intern Med誌3月22日号に掲載されたメタ解析の結果、このBNP/NT-proBNPガイド治療により入院は減少しないものの、総死亡が有意に減少することが分かった。

 対象のRCTは「brain natriuretic peptide」「pro- brain natriuretic peptide」、「heart failure」、「therapy」を検索語として、MEDLINE(PubMed1966年から2008年12月まで)、EMBASE(1974年から2008年12月まで)、Cochrane Controlled Clinical Trials Register Database(2008年12月まで)、Clinical Trials gov(2008年12月まで)から検索した。検索された全論文の参考文献も担当者が確認した。

 心不全の既往がある外来患者を対象とした前向きRCTのみ、今回のメタ解析の対象とした。症例数が20以下の試験、当該試験以外に設定されていないエンドポイントを有する試験は除外された。

 条件を満たす全試験について、通常治療群、BNP/NT-proBNPガイド群のそれぞれで、患者背景と薬剤の調節状況が記録された。評価した臨床アウトカムは、総死亡、入院、入院なしの生存、75歳以上または未満での死亡率、入院なしでの生存日数、心不全治療薬(利尿薬、アルダクトン、β遮断薬、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬[ARB])の調整が行われた患者の割合、ACE阻害薬とβ遮断薬が試験中目標投与量に達していたかどうか──とした。

 当初検索された1020試験のうち、1004試験が抄録のみを理由に除外された。除外理由としては293がBNP/NT-proBNPに無関係、170がBNP/NT-proBNPの診断または予後判定目的での測定、166がBNP/NT-proBNP値に影響する因子の解析、148が慢性心不全に無関係などだった。残った16試験のうち、3試験が現在進行中、2試験がランダム化なし、2試験が複合エンドポイントの使用、1試験が症例数20以下であるため除外された。

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