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Lancet誌から
受診ごとの収縮期血圧の変動は脳卒中の予測因子に
TIA既往者の大規模コホート研究、血圧の安定化が新薬のターゲットに

2010/03/25
西村 多寿子=東京大学

 高血圧が心血管イベントを起こす機序はいまだによく分かっていない。診療ガイドラインは平均血圧に注目しているが、血圧の変動性が脳卒中の独立した予測因子になる可能性が示唆されている。Lancet誌3月13日号に発表された大規模コホート研究の結果、受診ごとの収縮期血圧(SBP)の変動と最大SBPは、平均SBPとは独立したイベント予測因子であることが明らかになった。

 英国・アイルランド・スウェーデンの研究者からなる共同研究チームは、高血圧患者の受診ごとの血圧変動性(SBPの標準偏差[SD]や変動係数)、最大SBP、突発性の高血圧(episodic hypertension)、残差SDの変動が脳卒中や冠動脈イベントの予測因子になるかを検討した。

 降圧薬に関する試験に参加した、一過性脳虚血発作(TIA)の既往がある高血圧患者を含む以下の4つのコホートを研究対象とした。

・UK-TIAコホート: UK-TIA aspirin trial参加者のうち脳卒中既往者を除いた2006例。患者はアスピリン1200mg、300mg、プラセボの3群にランダムに割り付けられた。

・ESPS-1コホート:ESPS-1参加者はジピリダモール 75mg+アスピリン325mg群、プラセボ群に割り付けられたが、ジピリダモールは血管作動性のため本研究ではプラセボ群1247例のみを対象とした。

・Dutch-TIAコホート:Dutch-TIA参加者3150例はアスピリン30mg群または283mg群に割り付けられた。さらにサブグループの1473例がアテノロール50mg群またはプラセボ群に割り付けられた。

・ASCOT-BPLAコホート:ASCOT-BPLA参加者2011例はアムロジピン+ペリンドプリル群、アテノロール+bendroflumethiazide+カリウム群に割り付けられた。24時間自由行動下血圧測定(ABPM)も実施され、日中(9時~21時)、夜間(1時~6時)の時間加重平均値、24時間SBPと拡張期血圧(DBP)が計算された。


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