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Lancet誌から
実臨床に近いデザインのDES比較試験、Cypherが勝利
Endevorは心筋梗塞、再血行再建などが高率、SORT OUT III試験

2010/03/29
岡本 絵理=メディカルライター

 冠動脈疾患の重症度を問わず、多枝病変や分岐部病変、慢性完全閉塞などの重症例を含めたall-comerを対象に薬剤溶出ステント(DES)の治療成績を比較したSORT OUT III試験の結果は、シロリムス溶出ステント(SES、使用デバイス:Cypher SelectまたはCypher Select Plus)の方がゾタロリムス溶出ステント(ZES、同:Endeavor)よりも優れているというものだった。3月15日、Lancet誌オンライン版で発表された。

 この試験は単盲検ランダム化比較対照試験で、2006年1月~07年8月にデンマークの5施設でAarhus大学のグループが実施した。慢性冠動脈疾患または急性冠症候群であり、1カ所以上の標的病変を有する18歳以上の患者を適格とした。多枝病変の場合はすべての病変に同じステントを使用した。治療血管数や病変数、病変長には制限を設けなかった。

 冠動脈造影から経皮的冠動脈インターベンション(PCI)までの間に、患者をZESまたはSESにランダムかつ施設ごとに1対1になるように割り付けた。PCI後、アスピリン(75mg/日)は永続的に、クロピドグレル(75mg/日)は1年間投与した。追跡調査データは、デンマークの複数の行政・健康管理レジストリーから入手した。

 1次エンドポイントは9カ月間の主要有害事象(心臓死、心筋梗塞、標的血管の血行再建)の複合とした。2次エンドポイントは9カ月間の1次エンドポイントの各項目、総死亡、標的病変の再血行再建、症状のある再狭窄、血管造影で確認できた(definite)ステント血栓症とした。

 intention-to-treat解析を実施し、Cox比例ハザードモデルを用いて両群の差を評価した。

 2232例を登録し、1162例(1619病変)をZES、1170例(1611病変)をSESにランダム化した。ステント留置不成功は67例(72病変)、追跡不能は6例だった。9カ月後の追跡調査には全例が含まれた。18カ月後の解析は2200例(94%)が完了した。

 両群のベースライン特性は、ZES群のPCI既施行患者数がSES群より多かった点を除き、均衡が取れていた。

 

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