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Lancet誌から
頸動脈ステント留置術、短期の安全性はCEAを優越せず
脳神経麻痺・血腫形成は少ないが脳卒中・死亡が有意に多い、ICSS試験

2010/03/10
難波 寛子=医師

[2010.3.17:ICSSサブ解析の記事リンクを追加しました]

 症候性頸動脈狭窄を対象に、頸動脈内膜切除術CEA)群と頸動脈ステント留置術CAS)群に分けて安全性や長期予後を比較する国際多施設共同ランダム化試験ICSS(International Carotid Stenting Study)の120日間の観察結果が2月26日、Lancet誌オンライン版に掲載された。脳神経麻痺・血腫形成はCEA群で多いものの、脳卒中および死亡はCAS群で有意に多く、CEAは安全性でCASに勝ることが確認された。

 症候性頸動脈狭窄の治療法として、CEAが内科的治療に勝ることは確立されている。しかし、CASとの比較に関しては、CEAの代表的合併症である脳神経麻痺や血腫形成をCASにより回避できる可能性が、CAVATAS(Carotid and Vertebral Artery Transluminal Angioplasty Study)で示唆されているものの、長期予後を含めた優劣に一定の結論は出ていない。

 ICSSの対象は、40歳以上かつNASCET(North American Symptomatic Carotid Endarterectomy Trial)の基準で50%以上もしくは治療を必要とする症候性頸動脈狭窄を有し、発症後12カ月以内の患者。機能回復のない重症脳卒中、該当の頸動脈に対するCEAやCASの既往、どちらかの治療に対する禁忌、冠動脈バイパス術の予定や他の手術中は除外基準とされた。

 対象者は、コンピューターにより1:1の割合でCEA群とCAS群に割り付けられた。割り付け結果は患者と担当医に知らされた。経過観察は割り付けの結果を知っているが直接治療に関与しなかった医師により行われた。統計の専門家とデータ委員以外は、最終結果が出るまで予後に関する結果を知らされなかった。

 CASに用いるデバイスの選択はCEマーク付きという条件の下、インターベンション医に委ねられた。脳保護法の実施が推奨されたが必須ではなかった。CAS前後はアスピリンとのクロピドグレルの使用が推奨され、術中のヘパリンとアトロピンの使用は必須とされた。CEAの術式選択、麻酔方法の選択、シャントやパッチ使用の有無は術者に委ねられた。

 

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