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Hypertension誌から
BNPは虚血性心・脳血管疾患のリスク予知因子にもなる
三分位の最高値群では、最低値群に比べハザード比が2~3倍に

 心血管症状のない高齢者のNT-proBNP高値は、虚血性心疾患および虚血性脳血管疾患の初発を予測する、よい指標になることが分かった。オランダ・ロッテルダムで実施されたコホート研究の結果で、Hypertension誌オンライン版に1月18日、公開された。

 NT-proBNPは主に心室筋から産生されるB型ナトリウム利尿ペプチドBNP)のアミノ末端ペプチドであり、心室筋の伸展によって上昇するため心不全の診療に広く用いられている。

 最近では心筋虚血も反映するという説が出て、心血管イベントや脳血管障害の危険因子としての活用についても研究が進んでいる。今回は、従来の動脈硬化性疾患の危険因子にNT-proBNPを加え、10年間という長期追跡によってNT-proBNPの有用性を検討した。

 対象は55歳以上で心血管疾患のないロッテンダムの住民5063例。Erasmus Medical Centerで実施された。従来の危険因子として血圧、血糖値、総コレステロール、HDLコレステロールを測定し、さらに血中NT-proBNP値によってグループ分けを行った。1990~2001年に登録し、07年1月のデータまで収集した。

 致死的、非致死的合わせ、初回の心血管イベントは420例発生した(死亡は108例)。従来の危険因子で補正すると、NT-proBNPが三分位で最高値の群(中央値は男性18.3pmol/L、女性23.3pmol/L)は最低値の群(中央値は男性2.8pmol/L、女性4.6pmol/L)と比較して、心血管イベントのハザード比は男性で2.32、女性で3.08と高値だった。

 同様に冠動脈疾患、心不全、虚血性脳血管疾患における、三分位の最高値群のハザード比は、男性でそれぞれ2.01、2.90、2.06、女性でそれぞれ2.95、5.93、2.07だった。

 

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