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J Am Coll Cardiol誌から
冠石灰化ゼロでも2割に50%以上の狭窄
症候性患者は石灰化の有無を問わず冠動脈造影を実施すべき

2010/02/24
岡本 絵理=メディカルライター

 冠動脈疾患CAD)の疑いで64列MDCTを施行し、冠動脈石灰化が認められなかった患者でも約2割に50%以上の狭窄が見られることが、日本を含む7カ国9施設による大規模共同研究で分かった。この結果はJ Am Coll Cardiol誌2月16日号に掲載された。

 冠動脈石灰化はアテローム性動脈硬化に極めて特異的に発現するため、欧米では、線量が少なく造影剤を使用しないCTによるカルシウムスコア(CS)の測定が、冠動脈造影前に実施されることが多い。米国心臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)による2007年のExpert Consensus Documentでは、症状のある患者について、通常CSが100未満であれば心カテーテル時に重大な閉塞(50%超の狭窄)が検出される可能性は3%未満であるとしている。

 そこで米国ジョンズ・ホプキンス大学の研究者らは、冠動脈石灰化がなければ50%以上の狭窄の存在や血行再建の必要性が除外されるか評価するため、CADの疑いがありCSがゼロだった患者における閉塞性・非閉塞性CADの罹患率および血行再建実施率を調べた。また、冠動脈石灰化がないことと完全閉塞との関連についても調査した。

 この研究は、従来の冠動脈造影と64列MDCTを比較する臨床試験CORE64のサブスタディーであり、CADが疑われる40歳以上の患者を対象として日本も含む7カ国9施設で実施された。

 患者は冠動脈造影を目的として紹介受診し、冠動脈造影前に64列MDCTを用いてCS(Agatstonスコア)を測定し、その後30日以内に冠動脈造影を実施した。一次解析はCS600以下の患者のみとし、最も程度の大きな冠動脈狭窄とCSとの相関を直線回帰により判定した。

 閉塞性CADの可能性については、Moriseらが検証した方法に基づき、冠動脈造影実施前の心電図、トロポニン値、症状から評価し、リスクの程度によって患者を小・中・大の3段階に分類した。

 2005年11月~2007年1月に計291例を組み入れた。平均年齢は59.3±10.0歳であり、78例(26.8%)が女性だった。

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