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J Am Coll Cardiol誌から
ベッドサイドの検査でQT延長症候群を拾い上げる
同症候群患者では背臥位から起立時の心電図でQTcが有意に延長

2010/02/15
難波 寛子=医師

 背臥位から起立したとき、健常人では心拍数増加時にQTが短縮するのに対し、QT延長症候群(LQTS)患者では逆に延長することが分かった。ベッドサイドでのLQTS診断の可能性を示唆する所見として注目される。1月27日、J Am Coll Cardiol誌オンライン版に先行公開された。

 LQTSは、致死的不整脈予防のため正確な診断が望まれる疾患である。しかし、torsades de pointesの発生頻度は低く、QT間隔が健常人とオーバーラップしていること、遺伝子検査でも完全な除外が不可能などの理由で、その診断は容易ではない。

 今回検討対象となった患者は、LQTSスコア4点以上のLQTS疑い患者と、torsades de pointsの既往もしくは遺伝子変異が確認されたLQTS患者。対照群は92%が健常人ボランティアで、8%がLQTS患者の家族で遺伝子変異のない者だった。

 β遮断薬を内服中のLQTS患者は、最終内服の26~30時間後に試験を行った。試験では、10分間背臥位で臥床した後速やかに起立、その後5分間立位を保った。試験中に継続して心電図を記録した。

 心電図では、以下の4点を評価した。(1)臥床中記録された最少心拍数、(2)起立後の最大心拍数、(3)起立後30秒以内に記録された、QT延長が最長の時点での最長QT間隔、(4)T波の終わりが次のP波に最も近い部分での、最大のQT延長(QT短縮を伴わないRR短縮による)。

 試験は盲検化され、評価者は1人だった。体動に伴うアーチファクトを防ぐため、起立時の5秒間は評価から除外した。QT間隔はBazettの式を用いて、心拍数による補正を行った。その後、FridericiaとFraminghamの式でも解析を行った。

 LQTS群(68例)中、31例(46%)がLQT1、28例(42%)がLQT2、3例(4%)がLQT3で、6例(9%)は遺伝子変異不明だった。両群年齢に差はなかった。対照群(82例)を男女同率で登録したため、結果的にLQTS群と対照群の男女比は異なった(女性:LQTS群74%、対照群46%)。

 

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