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Circulation誌から
非常に重度の大動脈弁狭窄は無症状でも予後不良
症状がなくても早期の待機的弁置換術を考慮すべき

2010/02/12
小塩 尚代=メディカルライター

 非常に重度の大動脈弁狭窄を有する患者は、無症状であっても予後不良であり、最大大動脈弁血流速度(peak aortic jet velocity:AV-Vel)が予後予測因子となることが分かった。この結果はCirculation誌1月5/12日号に掲載された。

 症候性の重度大動脈弁狭窄患者には大動脈弁置換術が実施されるが、無症候性の患者には慎重な経過観察が行われる。しかし最近の手術成績の向上を受けて、手術適応の範囲を広げるべきかどうかが議論されている。

 米国心臓学会/米国心臓協会(ACC/AHA)や欧州心臓学会(ESC)のガイドラインでは、重度の大動脈弁狭窄(AV-Velが4.0m/秒超)を有する高リスク患者(左室機能低下、大動脈弁重度石灰化に加え急速な血行動態の悪化、運動負荷試験陽性[症状、血圧低下、または心電図異常あり])に対し、大動脈弁置換術を推奨している。

 しかし、非常に重度(AV-Velが5.0m/秒超)の無症候性患者のデータは不足しており、ESCのガイドラインにはこのような患者への推奨項目はない。ACC/AHAのガイドラインは、AV-Vel 5.0m/秒超、圧較差の平均60mmHg超、弁口面積0.6cm2未満の患者に対し、予想手術死亡率が1%未満の場合に限り手術を推奨している(Class IIb)。

 そこでオーストリア・ウィーン大学の研究者らは、非常に重度の無症候性大動脈弁狭窄患者の自然経過を調査し、これらの患者が手術によって利益を得られる可能性を検討した。

 1995~2008年に、著者らの施設で心臓弁膜症の検査を受けた患者のうち、大動脈弁狭窄を有しAV-Velが5.0m/秒以上だった無症状の連続116例を対象とした。平均年齢は67±16歳、女性57例、AV-Velの平均は5.37±0.35m/秒、大動脈弁口面積の平均は0.63±0.12cm2だった。これらの患者をプロスペクティブに追跡した。

 

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