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Lancet誌から
厳格な血糖管理で総死亡や心血管イベントが増加
最もリスクが低いのはHbA1c値7.5%前後、イギリスでのコホート研究

2010/02/09
岡本 絵理=メディカルライター

 経口血糖降下薬インスリンによる治療を開始した2型糖尿病患者を対象とした後向きコホート研究で、HbA1c値が約7.5%の場合に最も総死亡率が低く、HbA1cがそれより低値でも高値でも総死亡率が増加することが示された。この結果はLancet誌2月6日号で発表された。

 米国で行われたACCORD(Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)試験では厳格な血糖管理に伴う総死亡の増加が報告されており、その一因として低血糖が示唆されている。一方、厳格な血糖管理により心血管イベントが減少したとする報告もある。

 そこでイギリス・ウエールズ大学の研究者らは、血糖管理状態の指標であるHbA1cと総死亡率との関係を評価し、さらに糖尿病の治療法による違いについても検討した。

 対象はイギリスの大規模診療データベースであるGPRD(General Practice Research Database)に登録されている、50歳以上の2型糖尿病患者。解析期間は1986年11月から2008年11月までとした。

 患者を治療法により2つのコホートに分類した。コホート1は経口血糖降下薬の単独療法から併用療法(SU薬+メトホルミン)に切り替えた患者群(経口薬併用群)、コホート2は経口薬のみを使用していたがインスリン投与を開始した患者群(インスリン使用群)とした。

 1次アウトカムは総死亡、2次アウトカムは大血管疾患(心筋梗塞、脳卒中、冠動脈血行再建、心臓に由来する狭心症)の初めての発生とした。経口薬の併用またはインスリン投与の開始から、アウトカム発生または打ち切り時点までの平均HbA1cを算出し、これに応じて両コホートを十分位した。年齢、性別、喫煙状態、コレステロール値、心血管リスク、罹患率によって補正したCox比例ハザードモデルを用い解析した。

 経口薬併用群は2万7965例であり、併用療法開始前の平均HbA1c値は9.0%(標準偏差[SD]:1.5)、平均追跡期間は4.5年(SD:2.7)だった。インスリン使用群は2万5例であり、インスリン投与開始前の平均HbA1cは10.0%(SD:1.9)、平均追跡期間は5.2年(SD:3.6)だった。

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