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J Am Coll Cardiol誌から
糖尿病合併例でもLMT・3枝の血行再建はCABGが優れる
PCIに比べ心血管イベント発生が有意に低率、SYNTAX試験サブ解析

 左冠動脈主幹部(LMT)または3枝に病変を有する患者を対象に、パクリタキセル溶出ステントPES)留置による経皮的冠動脈形成術PCI)を行う群と、冠動脈バイパス術CABG)を実施する群に分け予後を比較したSYNTAX試験のサブ解析から、糖尿病患者でも、1年後の重篤な心臓および脳血管イベントの発生はCABG群で有意に低率だったことが明らかになった。この結果は1月13日、J Am Coll Cardiol誌オンライン版に掲載された。

 LMTや3枝に病変がある重症の冠動脈疾患はCABGの適応とされてきたが、PCIの普及によりステント留置例も増えてきている。糖尿病を合併する冠動脈疾患についてのCABGとPCIの比較は1枝病変や2枝病変を対象としたものが多く、重症冠病変を対象とした大規模ランダム化比較試験は存在しない。

 そこでイギリスのJohn Radcliffe病院の研究者らは、LMTや3枝病変を有する患者を対象に、PESを用いたPCIとCABGのアウトカムを比較したSYNTAX (SYNergy Between PCI With TAXus and Cardiac Surgery)試験の1年後成績から、糖尿病患者に関するサブ解析を行った。

 イギリス、フランス、米国などの85施設が参加して行われているSYNTAX試験では、LMT病変と3枝病変のいずれか、または両方を有する1800例をPES群とCABG群にランダムに割り付けた。71.0%に3枝病変、29.0%にLMT病変が見られた。被験者のうち452例(PES群231例、CABG群221例)が内服またはインスリンによって糖尿病の治療を受けていた。

 再灌流療法から1年後の追跡の結果、重篤な心臓および脳血管イベントの発生率は、糖尿病患者集団においてPES群26.0%(59/227例)、CABG群14.2%(29/204例)であり、PES群で有意に高率だった(P=0.003、CABG群に対するPES群の相対リスク:1.83)。

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