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BMJ誌から
ARBが認知症の発症や進行を有意に抑制
ACE阻害薬との併用に相加効果も、米国の前向きコホート研究より

2010/01/27
岡本 絵理=メディカルライター

 米国の前向きコホート研究から、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)が投与されている人は、ACE阻害薬やその他の心血管薬が投与されている人に比べ、アルツハイマー病認知症の発症が有意に低く進行も遅いことが明らかになった。この結果は1月12日に、BMJ誌オンライン版に発表された。

 認知症やアルツハイマー病の原因は複雑だが、年齢、脳内へのアミロイドβの蓄積、心血管系の悪化が3大危険因子であると示唆されている。これら危険因子への介入により、認知症の発症も減らせる可能性がある。

 著者らは、米国の退役軍人保険制度の登録者から、65歳以上(2002年10月時点)を対象に、ARB、ACE阻害薬(リシノプリル)、他の心血管薬(ARB、スタチン、ACE阻害薬を除く)それぞれの服用者のコホートを設定。03~06年度を解析期間とし、登録から6カ月間の薬剤所有率が80%以上であり、この間にほかのコホートの薬剤に曝露されていない者を、その薬剤のコホートに組み入れた。

 アルツハイマー病・認知症の発症については、登録者がこれらの疾患の診断を受けていないことを確認し、発症までの時間を解析した。また、進行については、アルツハイマー病患者および認知症患者を対象とし、介護施設への入所および死亡までの時間を解析した。

 年齢・糖尿病・脳卒中・心血管疾患で補正したCox比例ハザードモデルを用い、ARBと他の薬剤との差を解析した。

 発症に関しては、アルツハイマー病では81万9491例(ARB群:1万1703例、ACE阻害薬群9万3484例、他の心血管薬71万4304例)、認知症では79万9069例(ARB群1万1507例、ACE阻害薬群9万1164例、他の心血管薬69万6398例)を対象として解析した。各群の平均年齢は74歳であり、大部分が男性だった(98%)。

 

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