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Lancet誌から
CRPが冠動脈疾患の原因である可能性は低い
54研究16万例を対象とした大規模メタ解析の結果

2010/01/19
小塩 尚代=メディカルライター

 C反応性蛋白CRP)と虚血性血管疾患の関連性は既知の危険因子による補正でかなり減弱し、CRPが冠動脈疾患の原因である可能性は低いことが大規模なメタ解析で示された。この結果はLancet誌1月9日号に掲載された。

 CRPは心血管疾患のリスク予測に役立つか、心血管疾患の原因かという問題が、最近注目を集めている。しかし、CRPと心血管疾患の因果関係を判断するには、両者の関連が従来の危険因子とどの程度独立なのかを検討する必要がある。

 そこで、英国ケンブリッジ大学に本拠を置く研究グループEmerging Risk Factors Collaborationが、過去の研究から個々の対象者のデータを収集してメタ解析を実施した。

 同グループは116のプロスペクティブ研究の対象者の中から、心血管疾患(心筋梗塞、狭心症、脳卒中)の既往がなく、年齢、性別、CRP値、その他の危険因子のデータを有する対象者に限定して解析を実施した。その結果、54研究の合計16万309例(131万人・年)が解析対象となり、これらの対象者における初発イベント数は2万7769件だった。

 主要評価イベントを冠動脈疾患(心筋梗塞あるいは冠動脈疾患死)とし、その他に脳卒中、血管死、非血管死も評価した。非血管死には癌、肺疾患、外傷による死亡などが含まれた。解析は2段階で実施し、まず各研究におけるCRPとの関連を個々に推定し、次にすべての研究の結果をメタ解析でプールした。

 CRPと臨床イベントとの関連の独立性を評価するために、従来の危険因子で補正を行った。補正に用いた危険因子は、年齢、性別、収縮期血圧、喫煙、糖尿病の既往、肥満度指数、対数変換した中性脂肪(loge中性脂肪)、非・高比重リポ蛋白コレステロール(non HDL-C)、HDL-C、飲酒量とした。


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