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JAMA誌から
デバイスの承認は、しばしば不完全なエビデンスに基づく
ランダム化試験は27%、承認事例の65%は裏付けとなる試験が1件のみ

2010/01/12
難波 寛子=医師

 医療機器は循環器領域の臨床でも多く使用されており、合併症の発生や死亡と深く関連している。しかし、米食品医薬品局(FDA)による承認の根拠となった臨床試験の質について、系統的な検討はこれまでなされていなかった。

 そこで循環器関連デバイスの市販前承認(premarket approval;MPA)の根拠となった臨床試験のデザインやエビデンスレベルを調査したところ、多くの承認は不完全なエビデンスに基づいていることが明らかになった。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校のグループが、JAMA誌12月23日号に発表した。

 データ収集のため、検索語として「Advisory Committee」「Cardiovascular and Supplement type」「Originals only」を用いて、2008年10月15日にPMAデータベースを検索。00年1月1日~07年12月31日に下されたすべてのPMAを対象とし、SSED(summary of safety and effectiveness data)をダウンロードした。

 臨床試験のデザインとして、以下の項目がコード化された。(1)対象者の人口統計学的特徴、(2)対象者数、(3)ランダム化の有無、(4)盲検化の有無、(5)単施設研究か多施設研究か、(6)試験は米国内で行われたか。

 また、1次エンドポイントについてはその有無で分類後、対照群の有無、エンドポイントの種類(複合エンドポイントや代替エンドポイントであるか)、解析時に対象の除外が行われたか、解析された対象数、事後検定であるか、解釈可能か、追跡期間についてが、それぞれコード化された。

 検索の結果、循環器関連で81件のPMAが見いだされた。2件についてはSSEDがFDAウェブサイトから得られなかったため、79件のPMAに関する129件の臨床試験について、SSEDをダウンロードした。この中から重複を除く123試験を解析した。

 1件のPMAの根拠となる臨床試験数は、平均1.6(標準偏差[SD]:0.9、範囲:1~5)だった。78件のPMA中51件(65%)は、裏付けとなる臨床試験が1件のみだった。123件の臨床試験中、SSEDに対象患者数の記載があるのは98件(80%)で、対象患者数の平均は308例(SD:284)だった。対象患者数と参加施設数双方の記載があるのは80試験(65%)だった。1施設あたりの対象数の中央値は13例(四分位範囲:8~21)だった。

 対象者の平均年齢、性別、人種について、記載ありがそれぞれ87試験(71%)、89試験(72%)、11試験(9%)だった。平均年齢は62.7歳(SD:11.4)、66.9%が男性で、白人87%、黒人6%、ヒスパニック5%、その他が3%だった。

 

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