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Arch Neurol誌から
強化薬物療法で無症候性頸動脈狭窄の予後改善
微小血栓検出率が低下し、心血管イベントも大幅に減少

 無症候性頸動脈狭窄(asymptomatic carotid stenosis:ACS)に対して、従来のリスクファクターを管理する方法から、血管病変の進行度を指標とする強化薬物療法(intensive medical therapy)に変更したところ、経頭蓋超音波ドップラー法TCD)による微小血栓の検出率と心血管イベントの有意な減少が認められた。この結果は12月14日、Arch Neurol誌オンライン版に掲載された。

 ACSは血管疾患のハイリスク因子であるが、脳卒中よりも心筋梗塞の発症率との相関の方が強いことが知られている。従来、動脈硬化のリスクファクターの正常化を目指して管理することが多かったが、最近ではTCDによる微小血栓の有無によって予後が大きく異なることが報告されており、そうした血管病変を指標とする強化薬物療法が注目されている。

 そこで、カナダのウエスタンオンタリオ大学の研究者らは、通常の治療でもプラークの増大が認められたACS患者に対する強化薬物療法の効果を検討した。

 被験者は、TCDで最大流速(peak velocity)が60%以上増加していたACS患者468例。2000年から前向き試験を開始し、2000~2002年に登録した199例は従来の方法で治療を開始し、2003~2007年に登録した269例は強化薬物療法を受けた。追跡期間は最低1年間。

 強化薬物療法は、通常の治療でもプラークの増大が認められる患者に対して行われた。(1)プラークの計測値や画像を患者自身に示して禁煙、運動、食事、薬物療法への動機づけを高める、(2)LDLコレステロール値にかかわらずスタチンの内服量を最大耐容量まで増量する(アトルバスタチン80mgまたはロスバスタチン40mg)、(3)さらにエゼチミブナイアシンを追加する、(4)ACE阻害薬の服用を確認し、咳のために服用できなければアンジオテンシンII受容体拮抗薬に変更する、(5)インスリン抵抗性があればメトホルミンまたはピオグリタゾンを処方する──などである。

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