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J Am Coll Cardiol誌から
中高年女性の脂質値は閉経期に大きく変動する
白人だけでなく様々な民族で同様の変動パターンを確認

2010/01/07
小塩 尚代=メディカルライター

 女性では、閉経前後の短い期間に総コレステロール(TC)、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)、およびアポリポ蛋白B(Apo B)が急激に上昇し、しかもこれが様々な民族に共通の現象であることが、米国のコホート研究で明らかになった。この結果はJ Am Coll Cardiol誌12月15/22日号に掲載された。

 女性における冠動脈疾患の発生率は、閉経後に高くなることが知られている。これが閉経によるのか、老化によるのか、あるいはその両方によるのかを検討した過去の研究の多くは、デザインに不十分な点があった。それに加えてこれまでの研究は、主に白人女性を対象としてきた。

 そこで米国ピッツバーグ大学の研究者らが、前向きコホート研究であるSWAN(Study of Women's Health Across the Nation)の対象者のサブセットを用いて、冠動脈疾患の危険因子に対する閉経と老化の影響を、別々に解析することを試みた。

 SWAN研究は、閉経前または閉経周辺期早期(early perimenopause)の女性3302例を対象に実施された研究で、7地域で白人に加え、それぞれの地域ごとに指定されたマイノリティー(アフリカ系、日系、中国系、ヒスパニックのいずれか)の女性も対象にした。組み入れ基準は、42~52歳で、子宮摘出術を受けておらず、月経があり、ホルモン療法を受けていないことだった。対象者について年1回、生活習慣や危険因子、薬物療法の使用状況などを調査した。

 本研究の解析対象は、SWAN研究で10年間追跡されており、9年目までに最終月経期(FMP;final menstrual period)を迎えた女性1054例とした。FMPとなった日は、その後に無月経が12カ月続いた最終月経日と定義した(編集部註:1/8 訂正)。FMP前にホルモン療法または子宮/両側卵巣摘出を実施された女性は除外した。

 各危険因子の変動が、以下の2つのモデル、すなわち(1)線形モデル(追跡期間を通して一定の変動を仮定、老化の影響と一致)、および(2)期間ごとの線形モデル(閉経前後を3つの期間に分けて異なる変動を仮定、閉経の影響と一致)のどちらに対してより適合するかを評価した。期間ごとの線形モデルでは、閉経前後の期間を、(1)FMPよりも1年以上前、(2)FMPの前後1年、(3)FMPから1年後以降に分けて解析した。

 

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