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Circ J誌から
リポ化PGE1製剤の静注で歩行障害が改善
歩行障害質問票(WIQ)でPAD患者の歩行能力を評価

2010/01/05
大滝 隆行

 末梢動脈疾患PAD)患者を対象に、プロスタグランジンE1PGE1)のリポ化製剤(一般名アルプロスタジル)を8週間投与し、歩行障害質問票(Walking Impairment Questionnaire:WIQ)を用いた歩行能力評価を実施したところ、投与前後でWIQスコアと症状スコアの有意な改善が認められた。この結果は12月26日、Circ J誌オンライン版に早期公開された。

 わが国でも近年、人口高齢化や食生活習慣の欧米化に伴いPADが増加している。PADは既存の心血管危険因子と独立した強力な予後予測因子であり、その早期発見・治療によって心血管疾患を予防することが重要な課題となっている。

 PADの初発症状の中で最も多いのが、間欠性跛行などの歩行障害。従来、PAD患者の歩行能力は、トレッドミル運動負荷試験による歩行距離で評価されてきたが、日常生活における歩行能力を正確に反映しているとは言い難い。

 WIQは、患者自身が簡便に歩行能力を評価する手法として90年代に米国で開発された。日常歩行時の痛みの原因と程度、歩行距離・速度、階段を上がる能力など、質問票から運動負荷試験では得られない日常歩行に関する情報を入手できる。

 今回、松尾クリニック・松尾血管超音波研究室の松尾汎氏と東京医大血管外科の重松宏氏らは、PAD患者におけるリポ化PGE1製剤の投与前後の歩行能力をWIQを用いて評価した。

 被験者は、2005年5月から2006年10月までの間に、国内74施設において足関節上腕血圧比ABI)値0.9未満で有症候性PADと診断され、試験基準を満たした169例。平均年齢は73.5±10.3歳で78.7%が65歳以上だった。男女比は男性が58%とやや多かった。ベースライン時の平均ABIは0.69±0.14。合併症は高血圧(49.7%)、糖尿病(30.2%)、脂質異常症(23.7%)が多かった。

 主な併用薬は、抗血小板薬(30.2%)、非ステロイド性抗炎症薬(20.7%)、PG誘導体(17.8%)だった。

 

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