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Circulation誌から
血管内治療はB型大動脈解離の予後を改善せず
2年生存率は保存的治療と有意差なし、INSTEAD研究

2009/12/24
難波 寛子=医師

 ステントグラフト内挿術TEVAR)はB型大動脈解離に対する有効な治療戦略として知られているが、待機手術例におけるTEVARの有用性については確たるエビデンスがない。B型大動脈解離の待機手術例を対象に、TEVARと保存的治療の予後を比較したランダム化試験の結果、両群の予後に有意差はなかった。この結果はCirculation誌12月22/29日号に掲載された。

 INSTEAD(The INvestigation of STEnt grafts in Aortic Dissection)と名付けられた本試験は、ドイツ、イタリア、フランスから7施設が参加して行われた。対象は、発症2~52週後の合併症のないB型大動脈解離症例。研究期間は2003年11月から2005年末まで。外科的治療の明らかな適応(大動脈径≧6cm)や急性期症状の再燃、大動脈の状態がTEVARの適応外、偽腔が完全に血栓化している症例は除外した。

 イベントは3つのクラス(全身性、局所の非血管性、局所の血管性)と3段階の重症度(軽症、中等症、重症)に分類された。軽症のイベントは解析時に考慮されなかった。

 1次エンドポイントは2年後の総死亡とした。2次エンドポイントは、大動脈関連死亡と、大動脈病変の悪化(クロスオーバー/コンバージョン、血管内治療の追加、大動脈の径拡大、破裂に対する外科手術、灌流障害を含む)、大動脈リモデリングの複合とした。

 CTまたはMRI検査が3カ月、1年、2年の時点で全例に施行され、偽腔の血栓化および真腔と偽腔の径が規定の部位で記録された。規定の部位は、レベルAとBが非解離部分の大動脈で、レベルCとDが解離部分のそれぞれ近位端と遠位端である。また、各対象の大動脈最大径も記録された。

 試験期間中597例が候補となり、条件を満たす140例がTEVAR+保存的治療群(TEVAR群、n=72)と保存的治療のみ群(保存群、n=68)にランダムに割り付けられた。TEVAR群で1例がTEVARを拒否し、別の1例がTEVAR前に死亡した。保存群では2例が保存的治療を拒否した。解析はIntension to treatで行った。


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