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BMJ誌から
経口糖尿病治療薬の種類の違いは予後に影響する
9万人超の患者データを利用した後ろ向きコホート研究の結果

2009/12/21
西村 多寿子=東京大学

 一般診療によく使われる経口糖尿病治療薬と心血管疾患や死亡リスクとの関連を調べた後ろ向きコホート研究の結果、第1・第2世代のSU薬は心血管リスクが有意に高く、ピオグリタゾンは死亡リスクが低いことが明らかになった。英国の糖尿病患者9万人超のデータを分析した結果の詳細が、12月3日、BMJ誌オンライン版に掲載された。

 英ロンドン大学を中心とした研究グループは、約500万人の患者データが記録されている一般診療リサーチデータベースを利用し、1990年1月1日~2005年12月31日で、糖尿病のエピソードがある35~90歳の患者データを入手した。主要イベントは、心筋梗塞とうっ血性心不全の初発、および総死亡とした。

 1つの薬剤の使用開始から異なる薬剤の治療開始まで、もしくは打ち切りやイベント発生までの期間を1インターバルとし、これを観察の単位とした。例えば、登録時にSU薬の単剤投与、次にSU薬とメトホルミンの併用に変更し、2剤投与中に心筋梗塞が発生した場合、患者は2インターバルを経験したと見なした。

 インターバルで換算されたデータを以下の7つのコホートに分類し、主要イベントの発生を比較した。
(1)ロシグリタゾン単剤投与群
(2)ロシグリタゾンと他剤併用群
(3)ピオグリタゾン単剤+ピオグリタゾンと他剤併用群
(4)メトホルミン単剤投与群
(5)第1世代SU薬アセトヘキサミドクロルプロパミドトルブタミドtolazamide)の単剤投与群
(6)第2世代SU薬glipizidegliquidoneグリメピリドグリベンクラミドグリクラジド)の単剤投与群
(7)その他の治療薬の併用群(ただしインスリンとの併用は除く)

 対象患者9万1521例の平均年齢は65.0歳(標準偏差:11.9)、平均追跡期間は7.1年だった。1インターバルあたりの中央値は24日(四分位範囲:13-42日)で、276万1889のインターバルを解析対象とした。

 

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