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New Engl J Med誌から
高感度トロポニンTは冠疾患の予後判定に有用
従来法では検出できない微量の上昇が心血管死と相関

 安定冠動脈疾患を有する患者を対象に、高感度心筋トロポニンT検査値と心血管疾患による死亡との関連を調べたところ、両者の間に有意な正の相関が認められた。心筋トロポニンTは急性冠症候群の診断マーカーとして知られるが、その微量アッセイは冠疾患の予後判定にも活用できる可能性が示された。この結果は11月25日、New Engl J Med誌オンライン版に発表された。

 心筋トロポニンTおよびIは心筋の構造蛋白であり、急性の心筋壊死を反映して迅速に上昇する。最近では、明らかな心疾患がなくてもトロポニンのわずかな上昇があればトロポニン正常者に比べて長期予後が悪いという結果も出ており、軽症者で検出される微量トロポニンの意義について関心が高まっている。

 ノルウェー・Akershus大学病院の研究者らは、0.001μg/Lまでの微量のトロポニンT値を測定できる高感度アッセイ法を用いて、安定冠動脈疾患を有する患者の長期予後を調査した。

 この研究は、安定冠動脈疾患既往者におけるACE阻害薬トランドラプリルの上乗せ効果を検討した大規模臨床試験「PEACE(the Prevention of Events with Angiotensin Converting Enzyme Inhibition)」のサブスタディーとして行われた。ノルウェー、米国、カナダにおける参加者8290例中、ベースライン時に高感度心筋トロポニンT検査値が得られた3679例を対象とした。観察期間の中央値は5.2年間だった。

 対象者中、測定限界である0.001μg/L以上のトロポニンT値を測定できた患者は3593例(97.7%)だった。健常人献血集団(1338例)における下から99%に当たる値である0.0133μg/Lを超えていた患者は、11%(407例)だった。

 アウトカムは、心血管疾患による死亡、心不全の発症、急性心筋梗塞の発症とした。すべて診療録で確認した。

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