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Circulation誌から
クロピドグレルとPPI併用によるリスク上昇は20%
北米3州の高齢患者約1万8500例を対象とした後ろ向きコホート研究の結果

2009/12/10
小塩 尚代=メディカルライター

 プロトンポンプ阻害薬PPI)の併用によるクロピドグレルの効果の減弱を、大規模コホートで交絡因子を精密に補正して検討したところ、PPI併用患者の心筋梗塞(MI)と死亡を合わせたリスクはPPI非併用患者に比べて20%程度高かったが、有意な差ではなかった。この結果はCirculation誌12月8日号に掲載された。

 最近の研究から、クロピドグレルの効果がPPIの併用によって減弱することが懸念されており、原因はチトクローム(CYP)2C19に対する競合的阻害と考えられている。しかし、この相互作用が臨床的にどの程度問題になるかについては、まだ結論が出ていない。

 そこで米・Brigham and Women's Hospitalの研究者らは、北米3州の医療保険プログラムのデータベースを用いてレトロスペクティブなコホート研究を実施し、クロピドグレルにPPIを併用していた患者における有害なアウトカムの発生率上昇について調査した。

 カナダのブリティッシュコロンビア州、米国のペンシルべニア州とニュージャージー州の医療保険プログラムのデータベースから、65歳以上で、2001~05年に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を実施した患者、あるいは急性冠症候群(ACS)で入院した患者を選択した。

 これらの患者のうち、index date(退院の翌日または外来でのPCIの翌日)前の180日間はクロピドグレルを調剤されておらず、index date後7日間は生存しその7日間にクロピドグレルを開始した患者1万8565例を、本研究の対象とした。

 PPI使用の定義は、index dateの21日前から7日後までの間にPPIを調剤され、その量がindex dateの7日後まで継続するのに十分だったこととした。薬剤の使用は調剤データに基づいて判断した。

 index date後7日間は薬剤使用群決定のためのrun-in期間とし、その翌日から追跡を開始して180日後まで、または、エンドポイント発生まで、クロピドグレル中止から5日後まで、さらにPPI併用患者ではPPI中止から5日後まで、PPI非併用患者ではPPIを開始した日まで追跡した。追跡期間の中央値は29~30日だった(州およびエンドポイントにより異なる)。

 

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