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N Engl J Med誌から
心電図下壁誘導の早期再分極は長期予後不良
フィンランド一般住民を対象とした大規模研究の結果

 安静時心電図の下壁誘導で早期再分極が見られた中年層の人では、初回の心電図検査から15年ほどたって心疾患や不整脈による死亡リスクが高くなることが、フィンランドの一般住民を対象とした大規模研究で見いだされた。この結果は11月16日、N Engl J Med誌オンライン版に掲載された。

 早期再分極は、12誘導心電図でQRSとSTの接合部であるJ点の上昇を示し、長い間無害な所見と考えられてきた。しかし最近の研究では、下壁や側壁の誘導での早期再分極は致死性の心室性不整脈と関連があるという結果が報告されている。これまで早期再分極に関する大規模試験はほとんど存在しない。

 そこで今回、フィンランドのオウル大学の研究者らが、心電図上で早期再分極を示す人の長期予後について調査した。

 対象は、フィンランド各地に住む30~59歳の一般住民1万864人。52.3%が男性で、平均年齢は44±8歳だった。1次エンドポイントは心疾患による死亡、2次エンドポイントは全死亡および不整脈による死亡とした。観察期間は30±11年間。

 早期再分極は下壁(II、III、aVF)および側壁(I、aVL、V4~V6)について、J点の上昇が0.1mV以上と0.2mVを超える群に分けて検討した。

 0.1mV以上の上昇は1万864人中630人(5.8%)に認められ、内訳は下壁誘導384人(3.5%)、側壁誘導262人(2.4%)、下壁および側壁誘導16人(0.1%)だった。下壁誘導で0.1mV以上上昇していた384人のうち心疾患による死亡は92人であり、正常群を1.0とした場合、他因子を補正した後の相対リスクは1.28だった(P=0.03)。側壁誘導では正常群との間に有意差はなかった。

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