ST上昇型心筋梗塞(STEMI)に対してprimary PCIを行った約3万例のレジストリーデータの解析から、施設における実施例数と院内死亡率には関連がないことが分かった。この結果はJAMA誌11月25日号に掲載された。
STEMI患者における従来の研究は、施設のprimary PCI実施例数と死亡率が逆相関することを示している。しかしこうした研究の大部分は、ステントや補助薬物療法の使用が一般的になる以前に実施されたものである。
そこで米国オハイオ州クリーブランドクリニックの研究者らは、米国心臓協会(AHA)による治療の質の向上を目的とした全国的なレジストリー「Get With The Guidelines-Coronary Artery Disease(GWTG-CAD)」のデータを用いて、施設のprimary PCI実施例数とSTEMI患者のアウトカムとの関連を調査した。
ACC/AHAのガイドラインでは、STEMIにprimary PCIを実施する際には、primary PCI実施例数が年間36例以上、すべてのPCIを合わせた実施例数が年間200例以上の施設で行うことを推奨している。
本研究ではこの閾値を用いて施設を3分類し、primary PCIの実施例数については、少ない(年36例未満)、中程度(年36~70例)、多い(年70例超)、すべてのPCIを合わせた実施例数については、少ない(年200例未満)、中程度(年200~400例)、多い(年400例超)と定義した。
1次アウトカムは院内死亡率、2次アウトカムは入院期間および来院から施術までの時間(door-to-balloon[DTB]time)とした。さらに、エビデンスに基づく薬物療法(アスピリン、β遮断薬、ACE阻害薬またはARB、脂質低下薬など)および禁煙指導の実施状況も調査した。
循環器プレミアム:新着文献
JAMA誌から
STEMIへのprimary PCI、院内死亡率と実施数に関連なし
AHA・Get With The Guidelinesレジストリーの解析結果
2009/12/04
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