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Circulation誌から
腹囲はメタボの必須項目から除外を
IDFなど6組織が診断基準統一に向けた合同中間声明を発表

2009/11/30
岡本 絵理=メディカルライター

 国際糖尿病連合IDF)・米国心肺血液研究所NHLBI)・米国心臓協会AHA)など6組織は、メタボリックシンドロームの診断基準において、腹囲を必須項目としないことなどを求める合同中間声明を取りまとめ、Circulation誌10月20日号に発表した。

 メタボリックシンドロームの罹患率は世界的に上昇しつつあり、臨床的にも公衆衛生的にも問題となっている。メタボリックシンドロームは、心血管疾患(CVD)および糖尿病に対する代謝上の危険因子が集積した状態であり、これについては医学界の意見が一致していると思われる。しかし、その診断基準は各学会によって異なっており、一部では混乱を招いてきた。

 1998年、WHOが初めてメタボリックシンドロームの定義をまとめた。インスリン抵抗性を必須項目とし、これに加え肥満、血圧上昇、中性脂肪高値、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)低値、微量アルブミン尿の5項目のうち、2項目が該当することを診断基準とした。

 2001年には、米国のNational Cholesterol Educational ProgramのAdult treatment Panel III(NCEP-ATP III)から診断基準が発表された。ここでは必須項目を設けず、腹部肥満、中性脂肪高値、HDL-C低値、血圧上昇、空腹時血糖高値の5項目のうち、3項目が該当することを診断基準とした。

 05年には、IDFとAHA/NHLBIが診断基準を発表した。いずれも腹部肥満の指標としてウエスト周囲径(腹囲)を使用していたが、両者には大きな違いがあった。第1に、IDFは腹囲高値を必須項目としたが、AHA/NHLBIは必須項目とはせず、他項目と同列に扱った。第2に、IDFはヨーロッパ人の腹囲のカットオフ値を男性94cm以上、女性80cm以上とし、人種別にカットオフ値を定めたが、AHA/NHLBIのカットオフ値は一律であり、その値は男性102cm以上、女性88cm以上と、IDFより高かった。

 そこで最近、IDFとAHA、NHLBIのほか、世界心臓学連合(WHF)、国際動脈硬化学会(IAS)、国際肥満学会(IASO)の6学会による討議が行われ、メタボリックシンドロームの国際的な統一診断基準に向けた合同中間声明が取りまとめられた。

 

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